おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は少商(しょうしょう)というツボをご紹介します。
少商は指先にあるツボで、通常の鍼より、刺絡やお灸をする事が多いツボになります。
それでは少商の場所と効能、セルフケア方法までご紹介しますね。
少商とは
場所:手の親指の親指側にあって、爪の基底部と橈側縁の交点にあります。
イラストでは爪の真下に見えますが右下が正しいです。
少商の効能は中国の唐の時代の記録になりますが残っています。
「頬が大きく腫れ喉が閉塞し、飲み物が通らなくなる状態が3日も続いた。そこで、鍼灸の名医が
少商に鍼を刺し少し血を出すとたちどころに治った」
と残っています。
血を出すとは刺絡と言われる手技で縁里庵かつもと鍼灸院でも行っております。
少商の効能
今回も数冊の鍼灸書籍から
少商の効能を調べてご紹介します。
鍼灸は時代や国で患者層が違います。
現在の鍼灸院では診ない疾患も多いので
時代背景など考えながら見ると勉強になりますね。
呼吸器系(扁桃炎、耳下腺炎、感冒による発熱、気管支炎、肺炎)
その他(上肢の運動障害、小児痙攣、中風による意識障害)
中風とは脳出血などによって起こる、半身不随、手足のまひなどの症状。
小児痙攣は現在の鍼灸院で見る事はありませんね。
最近では感冒(風邪)も鍼灸院に来院されることが減りました。
2冊目の少商の効能です。
参考書籍は「中国の鍼灸全書」です。
中国の書籍になります。
鼻血
嘔吐
のどの痛み
百日咳
てんかん
中風卒倒
急性流行眼病
WHOも鍼灸の効能に鼻血を表記していて
鍼灸は鼻血に効果はあるのは認められていますが
縁里庵かつもと鍼灸院では鼻血を主症状で来院された患者さんがいないので
ツボの効能としては未経験です。
3冊目の少商の効能です。
参考書籍は上池先生の実践鍼灸学「経穴の探し方鍼の刺し方」です。
解熱に用いる
のどの痛みに刺絡
舌が腫れ、話しづらいとき
熱と咳。のどの痛みと咳は尺沢
尺沢は肘にあるツボです。
4冊目の少商の効能です。
参考書籍は「鍼灸治療基礎学」です。
扁桃腺炎
咽頭炎に刺絡
少沢と一緒に刺絡すれば効果が高い
少沢は手の指にあるツボです。
実際に私の経験ですが
風邪をひくと楽になるのに時間がかかるタイプですが
風邪をひき熱が出ている中で、指先に刺絡を2時間に1回行い
温かい格好で休んでいると
次の日には楽になっていた経験があります。
風邪をひくと数週間引きずるのに驚いた実体験です。
5冊目の少商の効能です。
参考書籍は「鍼灸経穴辞典」です。
中国の書籍です。
鼻出血
咽喉部の腫脹
扁桃炎
発熱
嘔吐
昏迷(軽度の意識障害)
脳卒中
熱中症
こう見ると
咽喉部の腫脹や発熱
風邪の症状や脳卒中など重篤な症状まで対応できていますね。
もちろん少商のツボ1つだけというわけではないです。
色々なツボを組み合わせて効果を高めていきます。
配穴
片側の扁桃腺(合谷)
慢性咳嗽(天柱)
頭痛・片頭痛(列缺)
少商のセルフケア方法
少商のセルフケア方法をご紹介します。
のどの違和感など感じる時に行う事が良いですね。
指先にあるツボなので、せんねん灸や台座灸は不向きです。
指揉みを行う事をお勧めします。
20~30回反対側の手で指を揉んでください。
昔は指揉み健康法で話題になったやり方です。
これは刺絡は家庭では行いにくく、簡便にしたものが指揉み健康法になります。
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