たこの吸出し

たこの吸出し/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院

おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は「たこの吸出し」をご紹介します。
たこの吸出しは名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんが
町田製薬株式会社が販売する軟膏になります。
打膿灸(だのうきゅう)の後にたこの吸出し
と言われていますがメーカーからの情報なども含めご紹介します。
今日はたこの吸出しについてご紹介しますね。

目次

たこの吸出し

たこの吸出し/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院

『たこの吸出し』についての逸話 『たこの吸出し』についての逸話が、「救いの神(朝日新聞社編 遠藤豊吉著)」で紹介されています。著者が小学校5年ごろ、お尻と脇腹の二ヶ所に大きな吹き出物ができ、体操の時間の跳び箱で、開脚跳び越しを行う段になって思い切って股を開くことが出来ません。失敗した場合には脳天まで突き抜けるような痛みに襲われる予感がし、順番がきてもぐずぐずしていました。 写真 その時、先生が「しょうがねえヤツだ。あばちゃん(用務主事のおばさんのこと)に、「『たこの吸出し』を塗ってもらってこー!」といわれ、恥ずかしい思いを我慢して塗ってもらった。ところが何日かして、膿の根が吸い出され、やがて患部がふさがり、思わず「バンザイ」と叫びたくなる開放感といったらなかったと記述されています。

引用元:日本家庭薬協会

たこの吸出し 10g 第2類医薬品 メール便対応商品 代引不可

価格:873円
(2023/2/15 22:05時点)
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成分

たこの吸出し/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院
たこの吸出し/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院

商品に書かれている成分と町田製薬株式会社のHPからの成分をご紹介します。

硫酸銅、サリチル酸、添加物として(ナタネ油、ロジン、モクロウ、パラフィン、白色ワセリン
ペルーパルサム、木酢、精製水、着色剤を含有

町田製薬株式会社のHPから成分の詳細を引用
植物油:35.09%
松脂:31.5%
木鑞:25.0%
パラフィン:2.7%
白色ワセリン:2.6%
硫酸銅:20%
ベルーバルサム:0.5%
酢酸:0.31%
サリチル酸:0.2%
着色剤(ギネアグリーンB)微量

硫酸銅とサリチル酸が主成分で他は添加物なので、2種類の効能を紹介しますね。
サリチル酸の紹介です。

サリチル酸:殺菌剤、角質軟化剤として用いる。解熱鎮痛消炎作用をもつが、内服や注射にはサリチル酸ナトリウムが用いられ、サリチル酸そのものは消化器障害が著しいため内服には用いられず、外用のみである。うおのめ、いぼとりに用いられるサリチル酸絆創膏(ばんそうこう)には50%含有され、白癬(はくせん)(水虫)や乾癬など皮膚糸状菌症には2~10%の軟膏や塗布液が用いられる。また脱毛症や腋臭(えきしゅう)症(わきが)、汗疹(かんしん)(あせも)などの治療剤にも配合されている。

コトバンクから引用

硫酸銅の紹介です。

硫酸銅:銅の硫酸塩で、一価および二価銅の化合物が知られている。 (1)硫酸銅(Ⅰ) 無色あるいは灰色の粉末。化学式Cu2SO4、式量223.15。銅を200℃に加熱した濃硫酸に溶かし、これをメタノール(メチルアルコール)中に滴下して沈殿させる。あるいはエーテル中で酸化銅(Ⅰ)と硫酸ジメチルの当量を反応させる。乾燥空気中では安定であるが、湿った空気中では徐々に、水を加えればただちに分解する。 (2)硫酸銅(Ⅱ) 無水和物CuSO4と五水和物がある。無水和物はハイドロカイアナイトとして、五水和物は胆礬(たんぱん)として天然にも産する。無水和物は無色の粉末。式量159.6。メタノールにはわずかに溶けるが、エタノール(エチルアルコール)には溶けない。水を吸収して五水和物になりやすいため、有機化合物の乾燥剤ないしは脱水剤として用いられる。

コトバンクから引用

説明は難しいのですが
硫酸銅には危険性もあります。

危険有害性情報: 飲み込むと有害のおそれ(経口)吸入すると生命に危険(ミスト)重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷。 重篤な眼の損傷。 呼吸器系の障害。 長期または反復ばく露による呼吸器系の障害。

お灸(火傷)の後にたこの吸出しを行うと傷口から粘膜吸収されると思うので危険性はないのだろうか?
メーカーに確認してみました。
ちなみに硫酸銅の処分方法も決まっていたりします。
(この商品は量が少ないため問題ないかもしれませんが)

毒物劇物取締法で処理方法が定められている。 水に溶かし、消石灰、ソーダ灰等の水溶液に加えて処理し、沈殿ろ過して埋立て処分する。 多量の場合には還元焙焼法により金属銅として回収する。

お灸のあとには不向き?

メーカーに確認してみると

「お灸をして火傷までいかなくても皮膚がただれる状態では
膿が集まっていない状態ではないかと思います。
膿が集まるのなら1日2日では集まらず
数日はかかるのではないかと
膿が溜まった状態で使うと効果的だとお客様からご報告いただいています。
元々はおできなどに使いますが
おできが出来て赤くなっている時より
数日たって膿が溜まっている状態の方が膿が出やすいです。
健康な皮膚に塗ったとしてもそこまで強い薬ではないので、害はないです。
粘膜には塗らないように」

と言われました。

打膿灸をしたすぐより数日経った後に貼った方がたこの吸出しは良さそうです。
すぐに貼っていたのはたこの吸出しではないかも?
と思い臨床例に詳細をご紹介しています。

効能

化膿性皮膚疾患、よう、ちょう等のはれものの吸い出し

用法・用量

ガーゼ又はリント布に膏薬少量を患部の中心に小さくつけ1日2回張り替える
使い方
(1)患部を清潔にする。
(2)添付のヘラでガーゼまたはリント布に膏薬適量を広げずに塗る。(軟膏のかたいときは暖める)
(3)それを患部の中心につけ、その上に油紙等をのせ、ずれないように絆創膏または包帯でとめる。
(4)膿が出始め、排膿の多い時は回数多く貼り替える。膿が完全に出切るまで続けて、すっかり膿が出切ったら傷口を清潔にする。

たこの吸出しはこんな方におすすめ

町田製薬株式会社のHPから引用しています。
吸出し青膏(たこの吸出し)はこんな方におすすめです
いったんは治ったけれど、また同じ場所で繰り返しできてしまう
できれば抗生物質を使いたくない
吸出し青膏(たこの吸出し)には抗生物質は入っておりません
外科的処置をしたけれど
再発してしまったお尻におできができてしまい
恥ずかしくて医者に行きたくないお尻の周囲はおできがよくできる場所です。

臨床例

たこの吸出し/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院

町田製薬株式会社のたこの吸出しではありませんがたこの吸出しを使用していた患者さんがいました。
写真の膏薬は閉業したお店の商品です。
病院に勤務時代に背中が火傷だらけの患者さんが来院しました。
何故そんなに火傷をしているのかと質問するとご自身(奥様が)でお灸をして
膏薬を塗り膿を出している
と言われました。
その患者さんは若いころ身体を壊し鍼灸師のお姉さんにお灸とたこの吸出しをしてもらい
身体が良くなった経験からご自身でも行うようになったとの事です。
寝る前に行い膏薬を塗り朝起きると膿が出ているとの事ですが
1度膿を見せて頂きましたが白いさらりとした膿が出ていました。
現在の鍼灸院で行うのはなかなか難しいですが
そのような施術もありました。
昔は普通に行っていたのですかね。
お灸をした後にたこの吸出しとして使われていたのは
無二膏だったかもしれませんね。

まだ西洋医学が日本に伝わる前、けがや病気の悩みから人々を救ったのが、生薬を組み合わせた漢方薬や伝承による民間薬でした。現代のように科学的な抗生物質や消毒薬のない江戸時代初期、御所の御典医(ごてんい)も務めた雨森良意が、打膿灸(だのうきゅう)というお灸のあとの膿(うみ)を出す「吸い出し膏薬(こうやく)」として開発したのが「無二膏」の始まりです。「この膏薬の効き目はほかにはない」と京の町で瞬く間に評判となり、人から人へと広がっていったそう。無二膏は、代々受け継がれてきた製法のまま、ダイオウやオウギ、ジオウなど13種類の生薬などをゴマ油に入れ、数時間煎じて作られます。「釜に付きっきりで混ぜ続けなければいけないので手間は掛かりますが、全国の愛用者からの『この薬をずっと使いたい』という声に支えられて今も作り続けているんですよ」と語るのは、15代目の雨森良和さん。特に寒い時期には、指のあか切れやひび割れなどの傷を保護するために愛用する人が多いそうです。誕生から300年以上。人々を救いたいと無二膏を開発した初代の心意気が伝わってきます。

引用:おけいはんねっと

新製品になっています。

軟膏/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院

たこの吸出しはユリア軟膏として新製品に変わっていました。
たこの吸出しも販売はしています。

平成6年に、かねてからの懸案であった新製品『ユリア軟膏(20%尿素配合軟膏)』の市販を開始し、何とか一般大衆薬として独り立ちできる商品を目指し努力しております。平成5年に3代目社長 町田美香子が就任し、創業から90年になろうとしている今、今後の展開も視野に入れて社員全員で心を一つにし、鋭意努力を惜しまずに伝統薬を守り続けていきたいと強く考えております。

まとめ

打膿灸は現在の日本ではなかなかやりにくい技術になっています。
学生時代に同級生同士で行っていたら良かったと思いつつ
誰も背中を貸してくれないのではないかもしれませんが
伝統的な手法になりますので
使わないから知らない
よりも
知っているけど使わない
位でも良いのだと思います。

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