おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は臂臑(ひじゅ)をご紹介します。
臂臑は肩髃の近くにあるツボで、肩髃から指4本分下にあるツボになります。
縁里庵かつもと鍼灸院では首肩上肢の疾患によく使うツボになります。
今日は臂臑の場所と効能、セルフケアまでご紹介していきますね。
臂臑
![臂臑/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院](https://katsumoto-shinkyu.com/wp-content/uploads/2023/02/22041283-2.jpg)
場所:腕をあげると肩関節のところに2つの窪みが現れます。その前方の窪みから指4本のところにあります。
1972年に深谷伊三郎先生が学会誌に「臂臑の眼科疾患に対する効用灸法による視力回復」
という論文を発表されました。
緑内障5名、白内障7名、中心性硬膜炎3名合計15名に対して臂臑にお灸をして
緑内障3名、白内障3名、中心性硬膜炎2名合計8名が視力回復または改善した
と報告されています。
深谷先生は「臂臑のお灸が視力回復や視力改善に効果がある事は結果的に見て眼球周辺部の血流異常を調整する
採用機序(メカニズム)があると言っても差し支えないと思う」と言われています。
論文のお灸のやり方は左右の臂臑へ毎日各15壮直接灸をし、5日間休止し再び10日間毎日お灸をする事を
治癒傾向が認められるまで何回も続けるというものです。
直接灸は火傷が出来るのと、毎日行うというのはなかなか現在では難しいと思います。
せんねん灸で毎日行う(家でのセルフケアも含めて)と変化が出るのか?
1度試してみたいですね。
臂臑の効能
![効能/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院](https://katsumoto-shinkyu.com/wp-content/uploads/2022/11/shutterstock_1091541332-2.jpg)
臂臑の効能をご紹介していきます。
今回も鍼灸書物から数件ご紹介していきますね。
時代や国で来院される患者さんが違うので、疾患が違うと効能も変わります。
時代背景など考えながら見ると勉強になりますね。
運動器系(上肢の麻痺あるいは疼痛、肩関節周囲炎、頸項部のこわばり)
その他(眼科疾患、頸部リンパ腺結核、頭痛)
こう見てみると結核で鍼灸院に来院されていたのですね。
今の時代では結核の患者さんは来院されませんが
当時は多かったのかもしれませんね。
2冊目の臂臑の効能です。
参考書籍は上池先生の実践鍼灸学「経穴の探し方鍼の刺し方」です。
五十肩
の反応が出やすい
中風(脳梗塞など)後の麻痺
3冊目の臂臑の効能です。
参考書籍は「鍼灸治療基礎学」です。
上腕神経痛または麻痺
三角筋リウマチ及び上肢の上がらざるに良い
上肢の上がらざるは五十肩なんでしょうね。
五十肩と言う病名はこの本の時代にはありましたが
何か意図してそう書いているのか?
と考えてしまいます。
4冊目の臂臑の効能です。
参考書籍は「鍼灸経穴辞典」です。
中国の書籍です。
肩・上肢痛
瘰癧
眼疾患
瘰癧(るいれき)とは結核菌の感染による頸部(けいぶ)のリンパ節の慢性的なはれもの
基本的に五十肩など運動系疾患に使われているみたいですね。
次は臂臑のセルフケア方法になります。
臂臑のセルフケア方法
![まとめ/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院](https://katsumoto-shinkyu.com/wp-content/uploads/2022/12/pixta_28674511_M.jpg)
臂臑にお灸をして目が良くなるなら家でも行う
と言う方もいらっしゃるかもしれませんが
効果を出すためには1日1回ではなかなか難しいです。
深谷伊三郎先生のお灸は火傷を行うお灸で、せんねん灸よりは刺激は強くなります。
病気にならないように気を付けるやり方で、病気になってからは鍼灸院に任せる方が良いです。
ちなみに私が自分自身に臂臑に火傷をするお灸をすえるにしても
利き腕は問題ないですが利き腕ではない方は慣れていないためなかなか難しいです。
家族と協力があれば良いかもしれませんね。
家庭でのセルフケア方法ですが
せんねん灸など台座灸なら3~5回は必要で熱感が浸透するようにすえる事が大切です。
マッサージなら肩と腕の痛みの場合は5分間揉んでください。
痛みがあると揉まない方が良いです。
強く揉みすぎも肩を痛めてしまいます。
セルフケアで効果がない方は
五十肩や肩こりでお困りの方は大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院まで
ご相談ください。
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