おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は下痢と便秘と生理不順に効果的なツボ「天枢(てんすう)」をご紹介します。
お腹にあるツボでお腹周りに特に効果があるツボの1つになります。
縁里庵かつもと鍼灸院でもお腹の症状がある方には使うツボの1つです。
それでは天枢の場所と効能をご紹介します。
天枢とは?
![天枢/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院](https://katsumoto-shinkyu.com/wp-content/uploads/2023/02/657112.jpg)
場所:へその中心にある神闕の両脇二寸に取穴します。
おへその中心から人差し指・中指をそろえた時の左右に指幅2本分の所にあります。
江戸時代の「養生訓」の著者貝原益軒は、幼少時代から病弱だったと言われていますが
亭年は85歳と当時では長生きをしましたが
貝原益軒自身も様々な養生法を実践したおかげで、「83歳の今日でも夜になって細字を書き
そして読むし、歯も丈夫で1本もかけていない」と書かれています。
「元気は生命の元、飲食はその養い」とする貝原益軒は
「胃腸が虚弱で食べ物が滞りやすく、またよく下痢をしやすい人は気が不足しているので
毎年2月8月にお灸をすえるのが良い」
と述べ7つほどのツボを紹介していますが
天枢が1番効果的
と書かれています。
天枢の効能
![効能/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院](https://katsumoto-shinkyu.com/wp-content/uploads/2022/11/shutterstock_1091541332-2.jpg)
天枢の効能の説明の前に天枢の名前の由来をご紹介します。
「天」は上部を「枢」は要を意味して、一説によると
「臍より上には天に対応し、臍より下は地に対応しており、臍の傍らにある
このツボがその上下を調停し、胃腸の機能のかなめになっている」
と言われています。
つまり胃腸関係に効果があったから天枢とつけられた
という事です。
それでは天枢の効能をご紹介していきます。
消化器系(胃腸炎、下痢、便秘、腸麻痺、消化不良)
婦人科系(生理痛、生理不順、機能性子宮出血)
その他(水腫)
腸麻痺は縁里庵かつもと鍼灸院では診たことがない疾患です。
なかなか現在の鍼灸院には来院されないですね。
2冊目の天枢の効能をご紹介します。
上池先生の実践鍼灸学「経穴の探し方鍼の刺し方」です。
胃経だが大腸の募穴。重要なツボ
関元や中極と一緒に灸をすると腸が丈夫になる。
風邪が肺から大腸に移り、圧痛が現れる事もある。
3冊目の天枢の効能をご紹介します。
「鍼灸治療基礎学」です。
大腸の病を主る
下痢
便秘
赤痢
腸チフス
腸炎
腎炎
腎盂炎
赤痢を現在の鍼灸院では見る事はないでしょうが
昭和の書籍なので、その当時はいたのでしょうね。
赤痢とは適切な抗菌薬による治療が行われなかった場合,30%以上の患者が死亡する怖い病気です。
症状 発熱、腹痛、下痢、ときにおう吐などを伴って急激に発症、重症例ではテネスムス(しぶり腹)という症状を呈し、頻回の便意をともなう膿粘血便を排泄する典型的赤痢症状を示しますが、最近では重症例は少なく、数回の下痢か軽度の発熱だけで済む症例や、無症状で経過する症例もみられます。
細菌性赤痢の主な感染源はヒトであり、患者や保菌者の糞便、それらに汚染された手指、食品、水、ハエ、器物を介して直接、あるいは間接的に感染する。 水 系感染は大規模な集団発生を起こす。 感染源がヒトであるので、衛生水準の向上と共にその発生は減少する。
4冊目の天枢の効能をご紹介します。
参考書籍は「中国の鍼灸全書」です。
中国の書籍です。
腹痛
下痢
コレラ
生理不順
血便
赤痢
こちらの書籍も昭和の書籍で、赤痢とコレラも出てきましたね。
現在の鍼灸院では来院されませんが当時の中国では多かったのでしょうね。
コレラとは病原性も弱く、死亡率も2%程度と言われています。
通常1 日以内の潜伏期の後、下痢を主症状として発症する。 一般に軽症の場合には軟便の場合が多く、下痢が起こっても回数が1日数回程度で、下痢便の量も1日1 リットル以下である。 しかし重症の場合には、腹部の不快感と不安感に続いて、突然下痢と嘔吐が始まり、ショックに陥る。
ヒトへの感染経路は、主に経口感染(食品、糞口)である。 感染者の糞便・吐物およびこれらに 直接または間接的に汚染された物品類、そして食中毒としての食品類(汚染されたカキあるいはその他の二枚貝類の生、あるいは加熱不十分な調理での喫食、感染者によって汚染された食品の喫食、その他)が感染源の代表的なものとしてあげられる。
現在の日本ではコレラも赤痢も出にくい環境で、適切に対処すれば怖いものではないですが
当時は危険があったかもしれませんね。
最後5冊目の天枢の効能をご紹介します。
参考書籍は「鍼灸経穴辞典」です。
中国の書籍になります。
腹痛
下痢
赤痢
便秘
腹鳴
腹部膨満
浮腫
月経不順
鍼灸の書物は国や時代によって見ている患者層が違うため
現在では見ていない症状の方も多く対応しています。
最近では風邪は鍼灸院では診にくくなりましたが
昔は風邪をひいたら鍼灸をすると早く楽になる
と言われていました。
ここ数年でも色々と変わっていますね。
天枢のセルフケア
![専門/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院](https://katsumoto-shinkyu.com/wp-content/uploads/2022/11/pixta_28674511_M.jpg)
天枢のセルフケア方法ですが
天枢はお腹にあり、脂肪が多い所になります。
せんねん灸や台座灸の場合熱を浸透させるには5回から10回行う必要があり
費用面で考えても現実的ではないです。
鍼灸院の場合は昔ながらのお灸や棒灸を使い15分ほど熱を浸透させますが
家庭では難しいと思いますので、あずきのチカラをお勧めしています。
お腹用の小さなタイプで良いので、30分ほど置いておくと温まります。
使う時間帯は寝る前が良いです。
あずきのチカラだとそのまま寝落ちしても大丈夫だと思います。
セルフケアは症状を出さないように習慣的に行う必要があります。
症状が出始めると鍼灸院の出番になります。
下痢や便秘、生理不順などお困りの方は
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院までご相談ください。
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