おはようございます。
大阪泉佐野の鍼灸院
縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日はMT温灸器のご紹介です。
MT温灸器は温かいマッサージのような温熱と圧刺激が出来る灸道具です。
残念ながら販売終了で、新規で購入する事は出来ませんが
未だに人気のある灸道具です。
メルカリでは3万円近くの値段で販売される事もあります。
今回はMT温灸器の使い方とMT温灸器の代わりになる道具をご紹介します。
MT温灸器とは
取っては木材で、下部は金属の灸の道具です。
ねりもぐさを入れて温める事で熱と圧刺激を与える事が出来ます。
金属部分は熱くなるので、タオルなどを当てて使用します。
お灸の香りも良く好評の灸具です。
- 扱いやすい
- 温度も高すぎなく使いやすい
- 販売停止している。
使用方法
《使用方法》ねりもぐさに着火します。
MT温灸器のなかに火のついたねりもぐさを入れ、球面が温まるのを待ちます。
温灸をする部位に薄い布をあて動かしながら温灸マッサージを行います。
途中で火を消したい場合は、ねりもぐさを取り出し、先端の火の部分を水につけて消します。
余熱で乾燥し、再使用するときも簡単に着火出来ます。
◆MT式温灸器(本体のみ)…重さ1箱約88g、全長:約17.5cm、直径(接触面):48mm
◆専用ねりもぐさ…1箱(20本入り)、重さ:約7g、長さ:約12.5cm、直径10mm
irodoriという炭の棒灸も温灸器として使う事が出来ますので
こちらも温度計測を行ってみました。
縁里庵かつもと鍼灸院では金属の入れ物に入れて真空状態にして火を消しています。
ねりもぐさの欠点は火が付きづらい、消えやすい事です。
火をつけてMT温灸器の中に入れて火が消えている
というのも何回も経験しました。
使用前に球面が熱くなるのを確認し
使用している最中も火が消えていないか定期的に確認しています。
使用中は1人の患者さんに付きっ切りになるので
ベッド数台を1人で行っている鍼灸院には扱いは難しいかもしれません。
ねりもぐさから計測してみました。
MT温灸器の球体部分に計測器を当て
温度を計測してみると最高温度は46.2度になりました。
なかなかの高温なので、タオルからはみ出し皮膚に当たるとかなり熱いのが分かると思います。
irodoriは撮影方法が失敗し、見づらいですので
正確な数字ではなく参考程度にしてください。
69.9度
練りもぐさよりも温度は高いです。
irodoriと練りもぐさの燃え方
irodoriと練りもぐさの燃え方の違いがあるのか?
実験してみました。
まずはirodoriの燃え方を調べてみました。
燃え方が分かるように中国温灸器に入れています。
時間経過は左から右になります。
燃えて灰になり高さが下がっているのが分かります。
少し分かりづらいかもしれませんが
先端の赤い部分から白い部分まで燃えています。
火のつけ方の問題もあるかもしれませんが
irodoriは先端から中心に向かい燃える傾向がある為
温灸器本体が焦げる可能性があります。
半分に折って使用しても焦げたという報告もありますので
3分の1に折って使用する方が安全かもしれません。
練りもぐさも計測して燃え方を確認してみました。
目印をつけ忘れたので、汚れ(?)から判断してみました。
赤い丸が下がっているのが分かると思います。
灰になり重さで下がっているのですね。
irodoriと同じような時間で試しましたが
燃え方は全然違います。
練りもぐさなら折らずに使用しても問題はないと思います。
MT温灸器の重さ
重さは90gでした。
ねりもぐさはメイプル名古屋さんでも購入できます。
irodoriはトワテックさんで購入できます。
MT温灸器の皮膚に当たる部分は穴が空いていますが
二重構造になっていて鍼を入れても入らないようになっています。
熱くなり過ぎないように作られた温灸器なのかもしれませんね。
穴から灰が落ちて火傷する事はなさそうなので、その辺りは安心して使う事が出来ます。
臨床例
縁里庵かつもと鍼灸院の臨床例ではありませんが
堺市の先生で、森之宮の卒業生向けでセミナーをしてくれています。
私は森ノ宮の卒業生ではありませんが、何故か気に入って頂き
セミナー以外で、MT温灸器を使ったがん治療を見せて頂きました。
写真も撮りお灸の可能性を広げてほしいと言われたのでご紹介します。
余命半年と言われ堺市の先生の鍼灸院に来院し
写真を撮らせていただいた当時で2年以上経っているみたいです。
鍼灸を定期的に受けているから元気で過ごせているみたいですね。
縁里庵かつもと鍼灸院でもこの経験からMT温灸器を難病の方に使わせていただいています。
中国の温灸器
MT温灸器は手に入らないので、中国の温灸器を購入していた時期があります。
何種類か購入して試しましたが
ねりもぐさ自体が消えやすいので、出来るだけ空気が入る構造の
温灸器を使う方が消えにくいと思います。
写真の中国温灸器は空気穴に網が入っていてねりもぐさが出ない構造になっています。
MT温灸器は穴なっているので、ねりもぐさが小さくなってくると落ちないか?
と思いながら使用していました。
中国式の方が安全性は高いのかな?と思います。
しかし、安全性を高めると空気は入りづらくなるので火が消えやすくなる欠点もあります。
先端は欠けやすく、中国から輸入した段階で、最初から欠けていたりすることも多かったです。
- 安価
- 重い
- 火が消えやすい
日本のネットでも販売していますが、空気が入りやすいデザインか?
を確認して購入することをお勧めします。
値段は3000円前後が多いです。
中国式も計測してみると最高温度は40.7度でした。
球面が金属のMT温灸器よりも温度は低く
タオルよりも薄い生地を使う方が受ける側は熱感があり気持ちが良いかもしれません。
厚手の服の上からだとそのまま使う又は熱感が感じにくい可能性もあります。
撮影が失敗しぼやけていますので参考程度にしてください
65.9度
練りもぐさよりも20度以上も熱くなります。
irodoriが長い状態だったので今回は取ってを外して計測しています。
通常使用よりも温度は上がりやすいかもしれません。
中国温灸器の重さ
重さは156gと小さいですが1番重い温灸器になりました。
安価な道具としては妥協しないといけないかもしれませんね。
ひなた式温灸器
MT温灸は販売していませんがひなた式温灸器というのはトワテックさんで販売しています。
- 他の製品とは違い購入できる。
- 空気穴が大きいため火が消えにくい
- MT温灸器より少し使いづらい
- 温度が高いので、調整が必要
実際に購入して試してみました。
2023年4月の段階では19,580円です。
ひなた式の説明をしていきますね。
MT温灸器との大きな違いはひなた式温灸器は分解が出来ます。
これは中国式と同じような使用になっています。
中国式は2箇所、ひなた式は1か所外れます。
外れる方が掃除をしやすいですね。
実際に使ってみるとねりもぐさを入れてすぐにねりもぐさが当たっている部分は
熱さを感じます。
MT温灸器は温かくなるまで時間がかかりますがひなた式の方が早く熱感は出てきます。
その後数分経つと全体的に温かくなってきます。
実際に温度を計測してみました。
最高温度は53.9度になりました。
ひなた式は下部に穴が開いているので灰が落ちないか?
などMT温灸器と同じような不安はありますが
1度目に試しねりもぐさの火が消えなかったので
MT温灸器よりは使いやすいかもしれません。
ひなた式温灸器は100度を超え
101.5度になりました。
こちらもぼやけているので参考程度にしてください。
しかし、100度を超えると計測器が音を出して注意喚起をしてくれたのは驚きました。
MT温灸器とひなた式温灸器の穴の大きさと数を数えてみました。
MT温灸器の穴の数は12箇所、穴の大きさは0.5センチ
ひなた式温灸器の穴の数は17箇所穴の大きさは0.7センチ
違いがあり、ひなた式温灸器の方が空気が入りやすく消えにくいのかもしれません
ひなた式温灸器の重さ
重さは142gMT温灸器よりは重いです。
写真では分かりづらいかもしれませんが
MT温灸器よりひなた式温灸器の方が先端が少し尖っています。
個人的にはMT温灸器の方が使いやすいと感じています。
まとめ
MT温灸 | ひなた式温灸器 | 中国式 | |
最高温度(練り) | 46.2度 | 53.9度 | 40.7度 |
最高温度(炭) | 69.9度 | 101.5度 | 65.9度 |
重さ | 90g | 142g | 156g |
値段 | 絶版(中古のみ) | 19,580円 | 3,000円前後 |
練りもぐさはそのまま使用しても問題がなく
irodoriは3分の1に折る方が安全に使えます。
MT温灸器は手に入らないですが
今はひなた式温灸器や中国式温灸器が手に入りやすいと思います。
ひなた式は値段は高いですが
MT温灸器も生産終了してしまい
ひなた式も売れない場合は生産終了するかもしれません。
自分たちの道具は自分たちで購入して生産を続けてもらえるようにしていきましょう。
中古ではなく新品購入しましょう。
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