おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は慢性疲労症候群と鍼灸施術をご紹介します。
慢性疲労症候群とは
慢性疲労症候群とは、身体診察や臨床検査で客観的な異常が認められない状況で、日常生活を送れないほどの重度の疲労感が長期間続く状態をいい、その原因は、身体的なもの、精神的なものを含め分かっていません。 患者には説明がつかない疲労が6カ月以上継続します。 疲労の症状は、ウイルス感染症様の症状が出ているときかその後で現れることがあります。 治療には、症状の緩和、認知行動療法、段階的な運動などがあります。 米国では、実に25%もの人が慢性的な疲労があると報告していますが、 慢性疲労症候群の条件を満たす人はその内わずか0.5%(200人に1人)です。この症候群は、主に20~50歳の人でみられ、男性より若年の女性や中年の女性でより多くの記述がありますが、小児を含むどの年代の人でも認められています。慢性疲労症候群の人には、本物の、そしてしばしば日常生活が送れなくなるほどの症状が現れます。この症候群は、詐病(症状があるふりをする病気)と同じものではありません。
引用元:MSDマニュアル
慢性疲労症候群という病名が知られるようになったのは比較的最近です。
アメリカで1980年代に「だるさ」を主症状とするこの病気が注目されるようになって以来
世界中で知られるようになりました。
しかし、世界的にはこれと似たような病気はすでに古くからあり
多くの病名で呼ばれていました。
慢性疲労症候群の事を「新しいボトルに入った古いワイン」と呼ばれる人もいます。
日本では1991年に慢性疲労症候群に関する研究班ができて研究がおこなわれています。
慢性疲労症候群を診断するためには厚生省研究班が作った診断基準があります。
慢性疲労症候群診断基準(要約)
基準項目
[大基準]
1.6か月以上にわたる持続性あるいは再発性の激しい疲労感
2.病歴、身体所見、検査所見によってほかの疾患が除外される
[小基準]
・自覚症状
1.微熱(37.5~38.6℃)
2.咽頭痛
3.頸部あるいは腋窩リンパ節に有痛性腫脹
4.筋力低下
5.筋痛
6.運動後24時間続く全身倦怠感
7.頭痛
8腫脹、発赤を伴わない移動性関節痛
9.神経精神症状
10.睡眠障害(過眠、不眠)
11.症状の急激な出現
・他覚所見(少なくとも1か月の間隔をおいて2回は認める事)
1.微熱
2.非滲出性咽頭炎
3.リンパ節触知あるいは圧痛
診断:大基準2項目+小基準・自覚症状6項目+他覚所見2項目以上、あるいは大基準2項目+小基準・自覚症状8項目以上
慢性疲労症候群の原因
慢性疲労症候群の原因は不明になっています。
これまでにウイルス感染、免疫異常、内分泌・代謝異常、心身症的要因など色々な原因が
挙げられていますが、どれも決め手はありません。
疫学的には女性に多く年齢も20~30代に多いようですが、どの年齢層にもみられます。
最近では不登校児のなかにはこの病気が紛れているかもしれないという研究者もいます。
西洋医学的な慢性疲労症候群の治療法
慢性疲労症候群の治療法は原因が不明であるため
確立されていません。
対症療法で精神症状に対するなら抗不安薬、抗うつ薬が用いられます。
しかし、「だるさ」を治す事は難しく
心身両面の休息が必要になります。
西洋医学ではなかなか対応が難しい慢性疲労症候群ですが
東洋医学的にはどうなのか?
ご紹介していきます。
東洋医学的な慢性疲労症候群
西洋医学的に見れば原因不明の疾患になりますが
東洋医学的にみれば対応できる疾患になります。
西洋医学では難病でも見方を変えれば症状の説明も治療法も容易になる事があります。
病気の治療に関しても「発想の転換」が必要になります。
もちろん容易になるといっても1度の施術で改善する
わけではなく回数は必要になります。
この回数も年齢や病歴で変わります。
どんな病でも早く施術を受ける事は大切になります。
慢性疲労症候群は東洋医学的には「経筋(けいきん)」と呼ばれます。
専門的な内容は難しいので、簡単に説明すると
各部位の血流障害と考えています。
血流を改善していく事で様々な症状を改善するのが東洋医学という鍼灸施術になります。
もちろん、鍼灸師にも知識や経験は必要です。
鍼灸整骨院よりも鍼灸院の方が鍼灸に対する知識と経験は豊富な傾向にあります。
慢性疲労症候群の鍼灸施術
慢性疲労症候群に関してはこのツボを使ったら効果的といわけではなく
その方の症状をみて考えていきます。
比較的反応が出やすい筋肉もあり、僧帽筋や頭頂部(百会)、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋など
反応が出やすい事が多いです。
もちろん反応がある部分は鍼灸の施術点にはなるので、何度もその部位を狙って
身体が回復するために必要な刺激を行います。
回復の傾向としては1か月から半年を目安にする事が多いです。
軽症の方は早く改善する事が多いですが
重症の人は時間はかかります。
1日でも早く来院し回復に向けた身体作りをすることが大切です。
慢性疲労症候群でお困りの方は泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院までご相談ください。
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