おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は神闕(しんけつ)というツボをご紹介します。
神闕はお臍の上にあるツボで鍼は禁止お灸は直接は禁止
隔物灸というショウガや塩などの上に置くお灸なら大丈夫というツボになります。
神という名前の付くツボは精神疾患に効果的な事も多く
神闕もその中の一つになります。
それでは神闕の場所と効能をご紹介します。
神闕
場所:臍の中央に取ります。
神闕の「闕」は門のことで、神闕とは精神の交通する門という意味になります。
これは胎児が母親と臍の緒を通じて栄養分を吸収し精神も形成される
ということに由来されていると言われています。
他にもお臍のゴマを取るとお腹が痛くなる
というのも直接おへその内側には、胃や腸、肝臓などの臓器を覆っている『腹膜』があります。
これは神経がたくさんはりめぐらされた、とても敏感な場所です。
だから、おへそのゴマを取ると腹膜が刺激され、おなかが痛くなってしまいます。
小さいころにお臍のゴマを取るな
と教わるのは当時はそこまで知らなかったはずなので
経験的談が伝わり残っていたのですね。
昔の医師も腹痛で下痢になりやすく悩んでいた方が神闕を押すと痛みが緩和され
神闕にお灸をするとすぐに止まったと書かれています。
鍼灸や漢方
東洋医学は経験的な医学であり
偶然から発見し、臨床を続けていくとそのような傾向が多い
という場所がツボになります。
神闕も偶然の発見から効果的だと後世で分かったのでしょうね。
神闕の効能
神闕の効能を3冊の書籍からご紹介しますね。
書籍はその先生の経験談が書かれています。
神闕も普段使っている先生
あまり使わない先生
でその先生の効能が変わります。
もちろん時代でも変わり、日本と中国でも変わります。
今回は昭和の先生の効能になりますので
現在の日本では見ない症状も鍼灸院で見ています。
消化器系(下痢、腹痛、浮腫、お腹が太鼓のように張る、お腹が鳴る、冷える、脱肛)
精神系(ショック、虚脱)
2冊目の神闕の効能をご紹介しますね。
急性病の劇しいときで、多くは塩を臍の上に盛りその上より大灸を点じて火気を臍心に徹らしめるを法とする
激しい腹痛
中風(脳梗塞など)で人事不省
激しい下痢
赤痢
淋疾
小児消化不良症
腹水
脱肛
流産癖
ご紹介にあった塩灸です。
塩がこぼれないように竹に入れています。
下にひく紙は和紙が1番良いです。
3冊目の神闕の効能をご紹介します。
冷え込みがひどいときは塩灸。ぬるい程度に止める
腰に鍼を打っても治らない場合は灸を5~10回
以上になります。
3冊の書籍で普段あまり使っていない先生もいました。
私も患者さんにはあまり神闕にお灸はしていません。
棒灸を使い胃腸症状が悪い方に使う程度です。
神闕のセルフケア方法
神闕はセルフケアでお灸をするのはなかなか難しい所です。
塩を直接置くとこぼれやすくなり、塩自体が熱くなるので火傷のリスクが上がります。
神闕のお灸で大切なのは熱くなったら移動させる
という事が大切になります。
竹の輪っかを用意して家庭で使うのはなかなかハードルが高く
まだおススメできるのがニンニクやショウガのスライスです。
お灸はせんねん灸を使うと良いです。
弱めのせんねん灸より少し熱めのせんねん灸が良いと思います。
スライスの太さはせんねん灸で熱を感じる程度に変えた方がよく
使われているせんねん灸で熱くない厚さを変えて頂く方が良いです。
2023年の4月2日放送の世界の果てまでイッテQで
台湾の医師が神闕穴に漢方とお灸をして若返り効果がある
と紹介されていました。
今回調べた書籍の中では若返り効果のあると書かれた書籍はなかったですが
実際に効果があるのか?
試してみたいと思いますが
お灸の時間が90分なので、頻繁には出来ないかもしれません^^;
空き時間のある時にやってみるようにします。
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