おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
以前帯状疱疹と鍼灸をご紹介しましたが
今回は帯状疱疹後神経痛のご紹介です。
帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の違いとは?

帯状疱疹(Herpes Zoster)と帯状疱疹後神経痛(Postherpetic Neuralgia, PHN)は関連するが異なる病態です。以下にその違いをご紹介します。
帯状疱疹(Herpes Zoster)
定義: 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が引き起こす急性感染症。幼少期の水痘感染後、ウイルスが神経節に潜伏し、免疫力低下(加齢、ストレス、疲労など)で再活性化して発症。
症状: 片側性・神経節段に沿った皮膚の紅斑、丘疹、水疱、膿疱が特徴。発疹に伴い、焼けるような痛みやピリピリした感覚(神経痛)が現れる。発熱や倦怠感を伴うこともある。
期間: 通常、発疹は2~4週間で治癒。急性期の痛みは発疹と同時期に現れ、多くは治癒とともに軽減。
治療: 抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)を発症後72時間以内に開始し、ウイルス増殖を抑制。対症療法として鎮痛剤や湿布も使用。
特徴: 急性疾患で、皮膚症状と神経痛が同時に起こる。免疫状態が良好なら自然治癒する場合が多い。
帯状疱疹後神経痛(Postherpetic Neuralgia, PHN)
定義: 帯状疱疹の皮膚症状が治癒した後、3か月以上(定義により1か月以上)持続する慢性の神経障害性疼痛。
症状: 発疹が消えた後も、焼けるような痛み、刺すような痛み、電撃痛、アロディニア(軽い触覚が痛みに感じる)などが神経節段に沿って続く。感覚異常やかゆみも。
期間: 数か月~数年にわたり持続する場合があり、特に高齢者で長期化しやすい。
治療: 三環系抗うつ薬(アミトリプチリン)、抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリン)、オピオイド、局所麻酔薬(リドカインパッチ)、神経ブロックなど。完全な疼痛消失は難しい場合も。
特徴: 急性期の神経損傷が原因で、ウイルス活性は消失しているが神経の異常興奮や感覚異常が持続。慢性疼痛疾患として管理が必要。
主な違い
時期
帯状疱疹:急性期に発疹と痛みが同時に発生。
帯状疱疹後神経痛:発疹治癒後に痛みが持続する慢性期の状態。
原因
帯状疱疹:VZVの再活性化による直接的な感染症。
帯状疱疹後神経痛:ウイルスによる神経損傷後の異常信号伝達。
症状
帯状疱疹:皮膚症状(水疱など)が主で、痛みは急性。
帯状疱疹後神経痛:皮膚症状はなく、慢性の神経痛が主。
治療
帯状疱疹:抗ウイルス薬が中心。
帯状疱疹後神経痛:神経障害性疼痛の管理に特化した薬物や療法。
持続期間
帯状疱疹:数週間で治癒。
帯状疱疹後神経痛:数か月以上持続。
東洋医学的な説明

東洋医学では、帯状疱疹後神経痛を「気滞血瘀(きたいけつお)」や「湿熱(しつねつ)」の病態として捉えます。帯状疱疹自体は、外邪(ウイルスなどの外因)が体内に侵入し、気血の流れを阻害することで発症すると考えます。特に、肝経(肝の経絡)や脾経の不調が関与し、ストレスや過労、加齢による気血の不足が背景にあるとされます。帯状疱疹後神経痛は、この外邪が神経に残存し、気血の流れが停滞(血瘀)したり、湿熱が神経に影響を及ぼすことで持続的な痛みを引き起こすと解釈されます。
病態の特徴:東洋医学では、痛みの性質を「刺痛」「灼熱感」「電撃様疼痛」などと細かく分析し、どの経絡や臓腑が関与しているかを判断します。たとえば、肝経の異常はストレスや怒りに関連し、刺すような痛みを生じさせます。湿熱の影響が強い場合は、赤みや熱感を伴うことが多く、脾の機能低下が湿の停滞を助長します。
施術アプローチ:施術は、気血の流れを改善し、湿熱を除去することを目指します。具体的には、鍼灸で経絡の流れを調整し、痛みの局所や関連するツボ(合谷、足三里、太衝など)を刺激します。漢方薬では、疏肝理気(肝の気を巡らせる)や活血化瘀(血の流れを改善する)作用のある処方、例えば柴胡疏肝散や桃紅四物湯が用いられることがあります。また、湿熱を除去するために龍胆瀉肝湯などが考慮されます。食事療法や生活習慣の改善(ストレス管理、適度な運動)も重視され、全体のバランスを整えることで自然治癒力を高めます。
縁里庵かつもと鍼灸院でも帯状疱疹後神経痛の患者様が多く来院されますが
多くの方が痛みが軽減することが多いです。
帯状疱疹後神経痛ではお灸をよく使います。
東洋医学では帯状疱疹後神経痛を湿熱とご紹介しましたが
熱にお灸の熱を与えるなんて
と思われるかもしれませんが
東洋医学では『熱を熱で取る』という考えがあり
帯状疱疹後神経痛の熱よりさらに熱いお灸の熱で
鎮火するというやり方があります。
縁里庵かつもと鍼灸院に来院する帯状疱疹後神経痛の患者様も
お灸をした後に痛みが軽減することに驚かれます。
80代の男性の方もすぐに効果が出て驚かれていました。
帯状疱疹後神経痛でお悩みの方は泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院までご相談ください。
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