おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
私は登録販売者の資格を持っており漢方の勉強もしています。
登録販売者とは薬剤師の下位の資格で
漢方のエキスまでは相談、販売することが出来る資格になります。
今回の内容は漢方の話も少し出てきます。
漢方は難しいので、出来るだけ簡単にご紹介しますね。
今日はお灸の原材料になるよもぎともぐさの薬能についてご紹介します。
よもぎはもぐさの原材料になります。
もちろんせんねん灸や附子灸、ビワの葉灸などはもぐさが使われています。
「よもぎ薬能」で検索すると色々と出てきますが
本当かどうか怪しい物もあるので、今回は漢方系の書籍からよもぎだけを抜粋して
ご紹介していきますね。
よもぎとは
野原、道端などに良く見受けられる多年草で、草の丈は50センチくらいになります。
葉はキクの葉に似ており、裏面には白い毛が密生しています。
夏から秋にかけて茎の上に黄褐色の小花が穂状花序に多数ひらきます。
穂状花序(すいじょうかじょ)とは
出典:コトバンク
花序の軸が長く,その上に花柄のない花が穂になって並んでいる花の並び方。 たとえばオオバコ,ミズヒキ,ワレモコウなどにみられる。 ムギなどの場合は詳しく見ると短い穂状花序が穂状に集っているので,その短い穂状花序を小穂といい,全体を複穂状花序という。
葉は揉むと特有の香りがあり、早春若い芽を摘んで餅に入れ草餅を作るので
別名モチグサと言います。
またモグサは、よもぎの葉の毛を集めたもので、別名灸草と言います。
毛を集めたものが良質なモグサ
葉を集めたものを粗悪なモグサ
葉と茎を集めたものをもっと粗悪なモグサ
のようにランクが分かれています。
ヨモギの仲間
引用元:原色牧野植物大図鑑
ヨモギ
ヤマヨモギ
オトコヨモギ
シロヨモギ
イヌヨモギ
ヒメヨモギ
タカネヨモギ
サマニヨモギ
サマニヨモギ
アサギリソウ
カワラニンジン
クソニンジン
ハマヨモギ
種類が多いですね。
全てがお灸で使えるわけではないですが
せっかくなのでご紹介しました。
他にもカワラヨモギというものもあり
引用元:漢方薬物学入門
果実を集めたものが茵蔯蒿(いんちんこう)
という生薬になります。
効能は利尿作用があり、黄疸を改善する効果があります。
その黄疸は肝炎、胆のう炎の人で、小便が出なくなった人に良いとの事です。
エキス剤があるので茵蔯五苓散などで、病院で処方して頂けます。
よもぎの成分
葉にはシネオールなどの精油のほか、酵素や多糖類、ビタミン各種のミネラルを含んでいます。
中国ではモグサの精油を使ったオイルが販売されています。
値段が高い物なら皮膚に塗っても問題はありませんが、安いものだと量は多いですが粗悪だったりします。
写真は中国のヨモギの精油になります。
右の精油は高品質で皮膚に直接塗っても良いですし
お風呂に入れても皮膚の潤いや保温効果があります。
効能と使い方
よもぎの効能と使い方をご紹介します。
効能
子宮出血
帯下(こしけ)
浄血
腹痛
痔の出血など
葉3~5グラムを水400CCで煎じ1日3回服用します。
煎じるとは生薬(ヨモギ)などを煮詰めて有効な成分を取り出す事です。
土瓶に生薬(ヨモギ)を直接入れます(ティーパックでも良いですがそのままの方が良いです)
沸騰したら弱火にして、中のお水が半分になるまでコツコツ煎じます。
煎じあがったら茶こしで濾して、コップなどに入れて1日3回飲みます。
なかなか手間はかかりますが漢方薬など効果を出したい場合は1番良い飲み方です。
病院などエキス剤(粉薬)の場合は1日分(3包)をコップに入れて
お湯を注ぎ、冷めてから1日1回なり2回で飲む方が良いです。
ヨモギの場合は薬局などで売っている艾葉を購入し
お茶として飲むのが良いと思います。
スーパーなどで売っているよもぎ茶用は茎が多く粗悪なものになります。
ヨモギは入浴剤?
艾葉を入浴剤として使うと温もります。
腰や膝の痛み、打ち身、消炎、美肌に効果があります。
私も2023年年始からヨモギ湯に入っています。
大掃除で手が荒れたので、右手を湯船にあまり入れないようにして
左手を湯船につけていました。
すると左手の方がサラサラになっていたので、ヨモギ湯の美肌効果はあるのではないかと体感しています。
また朝シッターを持ち上げる時に痛めた指も夜まで違和感がありましたが軽減しました。
まだ使用して間もないので浴槽に色は付着しませんが
何度も使うと少し茶色くなるみたいです。
その辺りは続けてみて様子を見たいと思います。
切り傷や虫刺されのかゆみ止めに、葉の生汁を塗布します。
お灸をすると白血球が増え、血液のめぐりがよくなり、色々な病気がよくなります
参考書籍:「薬草・漢方薬~効きめのある飲み方作り方」鈴木ヤエ・松田智恵子著
よもぎの各時代の効能を書いた著者と書籍名や解釈をご紹介します。
吉益東洞著
薬性提要(1807年)
苦辛。温。気血を理し、寒湿を逐い、子宮を煖める。
内藤尚賢著
古方薬品考(1841年)
気味苦く収斂にして芳達なり。故に蕈痢を療じ、妄血を止めるの能あり。
尾台榕堂著
古方薬議(1863年)
味苦温。下痢、吐血、婦人漏血、帯下を主り、腹痛を止め、百病を灸す。
浅田宗伯著
漢方養生談(1968年)
気血をととのえ、出血を止む。
神戸中医学研究会
中薬大辞典(1985年)
気血を理える、寒湿を逐いやる、経を温める、止血する、胎児を安らげる、の効能がある。腹部の冷えによる痛み、泄瀉転筋、慢性下痢、 吐血鼻出血、下血、月経不順、崩漏、帯下、胎動不安、癰瘍、疥癬を治す。
壷中天薬局南敏雄解釈
冬期における乾燥肌には浴剤として使用する。
ただし赤腫するものには不可。高齢者の乾燥肌には特に有効。
よもぎの説明と効能と使い方をご紹介しましたが
お茶として飲むかお風呂に入れて使うかが
1番楽に使用できるのではないかと思います。
よもぎは温める成分があり、お灸で火を使う事で、二重で温めることが出来ます。
温活が話題になっていますが
昔からあるよもぎを使ったお灸で、温活をしてみませんか♪
泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院では様々なお灸を使い温活の手助けをさせて頂いています。
温活でお困りの方は1度ご相談ください。
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