温熱刺激とお灸刺激

灸頭鍼

おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は温熱刺激とお灸としてご紹介させていただきます。

目次

温熱刺激とは?

長生灸

温熱刺激(おんねつしげき)とは、熱(温かい刺激)を与えて生体に反応を起こさせることを指します。

基本的な意味

温熱:体を温める熱エネルギー
刺激:感覚受容器(特に温覚受容器)を活性化させる外部からの入力

簡単に言うと、「体を温める刺激」全般を指す医学・生理学用語です。

主な特徴

温度域:通常37〜45℃程度(これ以上だと熱すぎて「痛覚」として感じる場合がある)
感じ方:温かさ、心地よさ、血流増加、筋肉の弛緩など
対になる言葉:冷熱刺激(れいねつしげき)(冷たい刺激)

実際の利用シーン

1. 理学療法・リハビリテーション
ホットパック
パラフィン浴
温水浴・温泉
赤外線照射
お灸
マイクロ波・超短波療法 など
2. 疼痛緩和
筋肉痛、関節痛、慢性痛に対して血流を改善し、痛みを和らげる効果が期待される(ゲートコントロール理論や末梢循環改善による)
3. 感覚検査
神経学的検査で「温覚の有無」を調べるために用いられる
4. 美容・ウェルネス
温熱美容機器(ホットアイマスク、温熱パッドなど)

生理学的反応

血管拡張 → 血流増加
筋緊張の低下
疼痛閾値の上昇(痛みを感じにくくなる)
副交感神経優位 → リラックス効果
組織の代謝促進

注意点

高温(45℃以上)になると「熱痛覚」になり、逆に組織を傷める可能性がある
知覚障害がある人(糖尿病性神経障害など)は低温やけどに注意
急性炎症・出血直後などは温熱を避ける場合がある(逆に冷熱刺激が使われる)

一言でまとめると
「体を温めることによって起こるさまざまな生体反応を引き起こすための刺激」が温熱刺激です。

 TRPチャネルとお灸

数年前から鍼灸業界は話題になっていたTRPチャネル
私が主催する会でも紫雲膏灸の三村直巳先生をお呼びしTRPチャネルのお話とお灸のお話をしていただきました。

お灸の良さは様々な温熱機器とは違い「温度が変わる」「範囲が狭い」など違いがあります。
温度が変わるのは捻るお灸でも毎回多少の温度差があります。
技術が高くなると温度差はすくなくなりますが、未熟な先生だと10℃前後変わる可能性も。
お灸の大きさは半米粒や米粒と言われ、米粒程度の大きさから葉巻サイズまで色々です。
葉巻サイズは直接皮膚に乗せるのではなく、数センチ皮膚の上に置くことで温かい熱感を感じる事が出来ます。
棒灸と言いますが長時間当てたり、近づけたり離したりと手技を行います。

棒灸道具

TRPチャネルの話に戻りますが
TRPチャネルは、温度・化学物質・機械的刺激に反応するという事がわかってきました。
2021年のノーベル生理学・医学賞を受賞したデビッド・ジュリアス博士(カリフォルニア大学)とアーデム・パタポウティアン博士(ハワード・ヒューズ医学研究所)は、温度や触覚を感知する体の仕組みを発見し、その中でTRPチャネルが関与していることを明らかにしました。
TRPチャネルの中には温度を感知するセンサーの働きや、生体の恒常性を保ち内臓の働きを調整する働きや、免疫反応の調整を行っていることがわかってきています。
お灸は温熱刺激により生体反応を発現し症状を変化させる作用があるとされています。
以下に温度で反応するTRPチャネルを示します。 

TRPチャネル 活性化する温度・刺激
TRP V1 42℃以上熱刺激
TRP V252℃以上熱刺激
TRP V332〜39℃温刺激
TRP A117℃以下
TRP M826℃以下

お灸の温度としてはTRPV1とV3が多いと思います。

TRPV1(トリップ・ブイワン)は、主に43℃以上の熱、唐辛子のカプサイシン、酸性物質などの「危険な刺激」を感知し、痛みや熱さとして脳に伝える感覚神経の受容体(センサー)です。この活性化により、血管拡張、血流増加、エネルギー代謝促進(脂肪燃焼)などの効果が誘発されます。

TRPV3は、主に皮膚の表皮細胞や口腔粘膜に存在する「温かさ(約30〜39℃)」の温度センサーおよび細胞内カルシウム濃度を調節するイオンチャネルです。主な効果として、温感の感知、皮膚のバリア機能維持、創傷の治癒促進、炎症性疼痛や痒みへの関与が挙げられ、皮膚の健康と感覚に重要な役割を果たします。

お灸を使い温度で狙う効果を変えていく
ということも鍼灸師の仕事になります。

まとめ

お灸というと「古臭い」「おばあちゃんがやっている」というイメージがあるかもしれませんが
科学的にもお灸の「熱」の効果が少しずつ分かってきました。
お灸には煙もありますが煙にも効果があると言われていますが、今はまだ解明はされていません。
鍼灸は昔から「何故かは分からないが効果がある」と言われていましたが
現在になり少しずつ解明してきています。
「科学的な根拠がないから効果がない」
と鍼灸はよく言われていますが
科学的な根拠を探す科学者が少ないだけだったりします。
鍼灸の効果を探す研究者は鍼灸の関係者になります。
医薬品の会社のように潤沢な資金があるわけではないため研究者も少なく
見つかる速さも徒歩と新幹線位の差があるかもしれませんが
TRPチャンネルのように少しずつ科学的な根拠が増えていくかもしれません。
お身体の不調でお困りの方はお近くの鍼灸院までご相談ください。
泉佐野市周辺でしたら縁里庵かつもと鍼灸院までご相談ください。

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