おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は日本人は無類のお灸好き!?というお話をご紹介させていただきます。
引用は日本の灸シンポジウムでお話されていた
森ノ宮医療大学大学院教授の長野仁先生の資料からご紹介していきます。
日本人は無類のお灸好き
お灸好きと言っても現在の人でお灸を受けたことがない人や
鍼灸院も鍼だけで灸をしていない人も多いです。
これは昭和まではお灸好きで、平成や令和になり
変わってきています。
「昔お祖母ちゃんが家でお灸をしていた」
という話はよく聞きますが
「昔お母さんが家でお灸をしていた」
という話は聞いたことがありません。
これはお灸を好んで行っていた世代としなくなった世代の違いではないかと思います。
この違いは私の考察ではタバコの煙が原因にあると考えています。
1980年には喫煙が原因で嫌煙権訴訟という民事訴訟が起こり
今の流れになってきたのではないかと思っています。
それまでは家庭でもお灸をする文化が残っており
ヤイト箸や灸箸などお灸をする道具に箸を使っていたと言われています。
考えるに日本は島国で、湿気が多い国になります。
湿気は身体を重くしたり病気になるので
身体の湿気を取るためにお灸をする文化が流行っていた
のではないかと思います。
現在のうつ病やむくみ、自律神経失調症なども
身体の湿気の影響は少なからずあると考えています。
お灸施術は現在人には合っている施術だと考えています。
ヤイト箸とは
過去と現在では、施灸技術そのものが異なります。
栄代の「艾灸図」や平安末期の「病草紙」などをみると
箸を使って灸をすえている所が書き残されています。
この箸を、日本ではヤイト箸や灸箸と呼ばれていました。
森ノ宮医療学園のはりきゅうミュージアムでは木製と金属製の2組のヤイト箸の実物が現存している
との事です。
曲直瀬玄朔(まなせ げんさく、天文18年(1549年) – 寛永8年12月10日(1632年1月31日)の
「日用灸法」によれば、東に伸びた桃の枝を3月3日に採取して作った箸が最良品とある。
これは、桃には邪を払う力があると信じられていた事が関係しているのかもしれないです。
昔ながらのお灸
現在のお灸と昔のお灸では違う事もあります。
その辺りもご紹介しますね。
塩灸(しおきゅう)
塩灸は現在でも残っている灸法です。
1651年嵐山集
「野原にけぶるや霜の塩やいと」
止灸・留灸(とめきゅう)
病気の再発を止めるための灸という意味をこめて最後にすえる灸
1703年浮世草子・好色敗毒散
「今半年も京の住居、留灸など致すべしと」
皮切(かわきり)
最初にすえる灸
1603~1604日葡辞書
「Cauaqiri(カワキリ)〈訳〉日本人が治療の為にすえる最初の灸、または立てる最初の鍼
皮切りとは
「皮切り」という「物事のはじめ」を意味する言葉は、最初の3壮で皮膚を焼き切っていたことが語源との事です。
近代以前において、灸は熱いのが常識でした。
皮切りの後、皮膚には当然ながら瘢痕が残ります。灸は温熱刺激を目的とするのみならず
瘢痕形成にも意味(効果)を見出していました。
何故皮膚を焼き切る必要があるのか?
灸は「火」つまり陽気を身体に与える行為で、肺「金」の主る皮膚とは相克関係にあり、効果の妨げになる
専門用語では難しいですが
簡単に説明しますね。
皮膚を焼き切る事で、火傷をおこします。
火傷は修復するために何日もかけ身体を刺激続けます。
刺激をするところはツボや悪い部分なので、長期間に渡って刺激を続けることで
身体の改善を促します。
しかし、現在は昔のような畑仕事や、肉体労働の方も少なくなり
火傷をするより、火傷をしない方が合っていることも多いです。
鍼は皮膚を傷つけ3時間から24時間以内に修復されると言われています。
鍼は急性病に効果的
お灸は慢性病に効果的
と言われていて
鍼も灸も扱える鍼灸師が良い鍼灸師と私は考えています。
現在のお灸
現在は火傷をするようなお灸ではなく温灸という温かい気持ちが良いお灸が主流になっています。
デスクワークや運動不足の方が増えてきたので、強刺激の火傷をするお灸より
弱刺激で長時間の温灸の方が時代に合っていると考えています。
縁里庵かつもと鍼灸院で使うお灸は温灸が主ですが
温灸の欠点は煙になります。
院内は空気清浄機や脱臭機を使い
お荷物はロッカーに入れて頂き、無料のヘアキャップをご用意して
お灸の煙対策はしていますが
それでも気になる方はお灸なしでも行えますので
縁里庵かつもと鍼灸院までお声掛けください。
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