おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は静岡にある小山忠次郎商店(現マクザス)さんに行かせていただいたお話をご紹介させていただきます。
同日にセイリンの工場見学を行く予定をしていて、せっかく静岡に行くのなら
小山さんの所にも行ってみたいと無理やりスケジュールを入れてみました。
小山忠次郎商店
〒420-0858
静岡県静岡市葵区伝馬町20-5
電話番号:054-252-1606
FAX:054-254-8871
小山忠次郎商店とは?
明治40年から続くもぐさの加工販売のお店です。
切り艾がウリで、さらしもぐさ(高精製の艾)や灸頭鍼向けや温灸向けの艾も販売しています。
最近は直接据えるお灸をする鍼灸院も少なくなり、温灸用の道具も販売をされていました。
販売している商品は
切りもぐさ
つれもぐさ
晒もぐさ
温灸もぐさ一等品
温灸もぐさ
温灸器
温灸器用艾
の8種類です。
切りもぐさも小と中がありますので、細かく分けるともっと多くなります。
店舗限定で極小も販売していますので、ご興味がある方はぜひ静岡の小山忠次郎商店さんへ行ってみてください。
ちなみにサに〇の暖簾がありますが
艾を購入している佐藤竹右衛門商店なのか、さらしもぐさなのかはわからないとの事です。
今のご主人さんは後を継ぐつもりがなかったためお父様からお話を聞いておらず
良く分からないと言われていました。
切りもぐさ体験
今回は13名で伺っていて、前もって連絡も何度か行わせていただいたので
色々とお話をさせていただきました。
切りもぐさの話もしていただき
歴史を感じました。
その中で切りもぐさはどうやって作るのか?
という興味があり、お願いしたところ快く見せていただきました。
実際は切りもぐさは難しく、つれもぐさと言って
切らないで、細長く丸めるやり方を教えていただきました。
使う道具は高精製の艾と木の板です。
昔は机でやっていたみたいですが、今はこの道具で作っているとか。
実際に奥様にやり方を見せていただき
参加者も希望者(全員)につれもぐさ体験をさせていただきました。
意外と作るのは難しく
参加者は力加減が上手くいかないようでした。
ちなみに私は初めてでも比較的上手に出来たと思っています。笑
細長く、太い部分があってはいけない、修正の仕方
ご指導いただきました。
受講生が終わった後、最後に調整をしてくれるので、みんな上手に仕上がっています。
出来上がったつれもぐさはこのようにプレゼントしてくれます♪
鍼灸師や鍼灸学生さんは分かると思いますがお灸をひねるときにこの形にします。
プロではない、一般の方はこの形が難しいためこの形で販売しています。
もちろんプロの鍼灸師の先生も使えます。
切りもぐさはこのようになっていますが
男性は作れず、女性は作れないと言われていました。
ご主人さんは何度練習しても作れなかったので、奥様が作られているとの事です。
作り方を一度見せていただきましたが出来る気がしなかったです。笑
オブジェかな?と思っていた
この木の箱実は艾が入っていました。
店主から顔突っ込んでも良いよ
と許可を頂いたので、顔を突っ込み香りを嗅ぎましたが
もぐさの良い香りがしました。
良い匂いですね。
この道具とザルはどう使うと思いますか?
木箱にもぐさを入れていると下にあるもぐさが硬くなるため
注文が入った時はこのように柔らかくするそうです。
温灸器
小山忠次郎商店さんで販売している温灸器です。
前は色が塗っていなかったみたいですが
色のバリエーションがある方が売れる!
と鍼灸師の先生のアドバイスで、各色を作ったみたいです。
この網の部分に温灸器用もぐさを入れます。
写真では火をつけていませんが
温灸器もぐさに火をつけて入れた方が良いです。
温灸器はコケやすいので、タオルなどで固定してあげた方が良いです。
タオルをぐるっと巻くと下の空気穴から空気が入りにくいので、少しはすき間を用意した方が火が消えにくいと思います。
実際に使ってみると途中少し熱いかな?となりましたが
少し場所を移動しながら使用したら問題なく使えました。
10個で660円で販売している温灸用のもぐさ
店主の手作りだと言われていました。
艾を詰め込んで作っているので、重量感があります。
山正の切りもぐさとせんねん灸の比叡と重さを比べてみました。
ライトの加減で見にくいですが
小山忠次郎商店 | せんねん灸 | 山正 |
1.635g | 0.616g | 0.620g |
約1gの重さの違いがありました。
3月30日に行う灸頭鍼セミナーで使用するつもりでしたが
灸頭鍼に使うには少し重すぎるかもしれませんが参加者の方には配らせていただきます。
温かい時間は長いので、色々と使えるかな?と思っています。
切りもぐさの温度は?
写真の切りもぐさは左から中、小、極小になります。
小山忠次郎商店さんおススメの切りもぐさ
実際に温度計測をしてみました。
今回温度測定をさせていただいたのは
極小(店舗販売のみ)、小、中の3種類です。
昔は大も販売していたみたいですが現在は販売していません。
極小
温度測定してみると35.3℃~43.3℃になりました。
艾を捻るのが苦手な鍼灸師の先生には良い商品かもしれません。
私も直接灸を行う時は35℃前後を狙って行います。
極小は店舗のみの販売です。
作るのが難しく多く販売が出来ないからとの事です。
店舗に行かれた方は是非ご購入下さい♪
小
小は45℃前後が多いです。
極小よりは熱いですが熱いお灸が好き
という方には良いかもしれませんね。
まだ試してませんが紫雲膏灸にも良いかもしれません。
中
極小(35℃前後)、小(45℃前後)、中(55℃前後)と
10℃位の違いと考えても良いかもしれません。
以前釜屋の切りもぐさを計測しましたが
今回はモクサス5、釜屋の切りもぐさを計測したときはモクサスライトでした。
記事では釜屋が
77.4℃、79.9℃、66.3℃、75.7℃
でしたが
モクサスライトの方が温度が高くなる傾向がありますので
今回は再度モクサス5で釜屋の切りもぐさを
再度計測したものもご紹介させいていただきます。
小山忠次郎商店の極小、小、中と釜屋の切りもぐさの温度を表にしていました。
釜屋 | 極小 | 小 | 中 |
58.5℃ | 37.6℃ | 45.8℃ | 57.4℃ |
60.3℃ | 43.3℃ | 44.8℃ | 54.7℃ |
55.1℃ | 35.8℃ | 46.6℃ | 44.8℃ |
49.4℃ | 38.9℃ | 41.0℃ | 46.3℃ |
54.0℃ | 35.3℃ | 43.4℃ | 52.5℃ |
釜屋の切りもぐさの方が温度が少し高いですね。
小山さんの販売が中止になった「大」はどの程度の温度だったのかは気になります。
鍼灸師の先生ならわかるとは思いますが、捻る艾を同じ温度に合わせるというのは難しく
切りもぐさも同じ大きさで作るのは技術がいります。
今回見学された先生や学生さんはその感覚が分かるのではないかと思います。
大きさにムラが出ないように職人的な技術を今回は見させていただきました。
この度は貴重な機会を頂きありがとうございました。
まとめ
静岡に行くことがあったら小山忠次郎商店さんに行くと良いと思います。
いらっしゃらないこともあるので、数日前に連絡はした方が良いです。
今回はお店の大きさで10人まで
と言われていました(連れて行ったのは13名になりましたが)
それでもお断りをさせていただいた方もいたので、興味がある方が多いのかな?と思ったりします。
「直接行うお灸をする鍼灸師が減っている」
という事は何度か言われていましたが
鍼灸師がお灸をしないとお灸の会社も守れないと思っているので
微力でもお灸は使っていきたいと思っています。
今回小山忠次郎商店さんの見学には鍼灸柔整新聞の記者の方が帯同していただいたので
近々新聞記事になると思います。
記事になるのを楽しみにしています♪
コメント