おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
全日本鍼灸学会学術大会が神戸で開催されました。
その抄録集を見ていると
「くるみ灸が自律神経失調症に与える影響」
という内容が書かれていて興味があり読んでみたのでご紹介します。
くるみ灸とは?
くるみの殻に菊花液を浸し5分から10分置いておきます。
施灸時にそれを取り出しまぶたの上に置きモグサをくるみの殻の上に置き
火を付けます。
中国では眼鏡の上に設置したりもします。
私が学生の時に中国研修で知ったのがくるみ殻眼鏡灸です。
くるみ灸を安全に使えるようにしたのが縁里庵かつもと鍼灸院の眼灸になります。
くるみ灸の効能は結膜炎、麦粒腫、遠視、近視、網膜炎、球後視神経炎、視神経委縮など
近視、遠視に効果があるのかは難しいと考えています。
小児のように眼鏡やコンタクトレンズで目を強制していないときは
良いかもしれません。
くるみ灸が自律神経に与える影響
抄録集に書かれていた内容をご紹介します。
研究されていたのは
明治国際医療大学鍼灸学講座
田中知佳先生
福田文彦先生
「目的」
鍼灸臨床では、眼精疲労に対してくるみ灸が行われているが
くるみ灸に関する研究や文献はほとんど報告されていない
そこで本研究では、くるみ灸の自律神経反応および前頭葉前野に与える影響について検討した。
「方法」
対象はインフォームドコンセントの得られた健康成人7名(平均29歳)
モグサに着火しない「無刺激群」と、モグサに着火する「くるみ灸群」を設定した。
仰臥位安静の後、安静時の測定15分間、くるみ灸(観察)5分間、安静測定15分間の順に行った。
評価項目は心拍変動、唾液アミラーゼ活性、脳血液量とした。研究デザインは
同一の対象者がウォッシュアウト
期間を経て両群をそれぞれ行う、クロスオーバーデザインとした。
「結果」
機器の不具合で正しく計測できず、研究対象者7名のうち唾液アミラーゼ活性の測定、脳血液量の測定で
それぞれ1名を両群から除外した。
郡内比較:くるみ灸群では、左前頭葉1cmの脳血液量において、くるみ灸介入後に有意に増加する
傾向が認められた。その他両群の評価項目すべてに有意差は認められなかった。
群間比較:くるみ灸介入後心拍変動は有意に減少する傾向が認め、唾液アミラーゼ測定値に有意な差は
認められなかった。脳血液量では右前頭葉1cmと3cmにおいて
くるみ灸介入中に有意に増加する傾向がみられた。
「考察・結語」
有意差はなかったが心拍変動はくるみ灸介入中に増加し直後に減少、唾液アミラーゼ測定値はくるみ灸直前
から直後にかけて低下したため、くるみ灸の温熱刺激が体性-自律神経反射によって副交感神経を優位にさせたと考えられる。脳血液量は、副交感神経優位による血流増加とくるみ灸が「快感覚」として前頭前野が伝達されたため増加したと考えられる。
くるみ灸と眼灸
今回ご紹介したくるみ灸は菊花液を浸して使ったかは書かれていませんが
通常のお灸よりも薬能はあると考えても良いかもしれません。
考察に書かれていた「快感覚」は眼灸にもあり、同じような結果は出ると考えています。
個人の鍼灸院ではサーモグラフィーカメラでの温度変化を計測するくらいで
唾液アミラーゼや脳血流量などは調べれません。
このような研究が増えお灸の研究が進むと良いですね♪
縁里庵かつもと鍼灸院の眼灸でも「快感覚」は味わえます。
他にも耳灸や箱灸など様々なお灸を使い「快感覚」を作り出しています。
お身体の不調には泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院までご相談ください。
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