おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は小鍼刀と言う鍼のご紹介です。
紹介の前に鍼の種類などもありますので、そちらを先にご紹介しますね。
九鍼(きゅうしん)
古代中国では九鍼という九種類の鍼を使い鍼灸をしていました。
1.鑱鍼(ざんしん)
2.圓鍼(えんしん)
3.鍉鍼(ていしん)
4.鋒鍼(ほうしん)
5.鈹鍼(ひしん)
6.圓利鍼(えんりしん)
7.毫鍼(ごうしん)
8.長鍼(ちょうしん)
9.大鍼(だいしん)
大鍼は火鍼の間違いではないか?
との意見もありますが
九種類の鍼の名前になります。
現在日本でよく使われているのが
毫鍼になります。
毫鍼の先端も日本と中国で違ったりします。
日本は先端が丸く、中国は尖っている
電子顕微鏡で見ると毫鍼の先端はこのようになっています。
三稜鍼というのは4.鋒鍼になります。
血液を出す鍼ですね。
日本では刺絡に使われています。號
毫鍼で全ての疾患に対応できる
わけではないため九種類の鍼に分けましたが
メスのような鍼もあり
日本で九鍼を全て使う事はできません。
中国では医師が鍼灸を行うので問題なく使う事ができます。
このような鍼は日本では使えません。
しかし、7年ほど前に中国へ道具の買い出しに行ったときに
中国の道具屋さんで日本語が分かる中国人医師と出会い
「最近は小鍼刀という鍼が流行りだよ」
と教えてもらい購入しました。
小鍼刀
小鍼刀は当時の価格でも日本の鍼よりも3倍ほど高価な鍼でした。
実際に日本に持って帰り使ってみると
「ザクザク」
と切れる音がします。
先端を確認するとマイナスドライバーのような形状の鍼でした。
電子顕微鏡で確認すると平らな鍼だと確認できます。
実際に目視で確認すると
そこまで分からないと思います。
毫鍼と小鍼刀
効果としては違いはあるのか?
実際の経験を元にご紹介します。
慢性的な肩こり、首こりの患者さん
毫鍼で刺鍼しても刺されている感覚がない
小鍼刀で刺鍼すると「ザクザク」と刺されている感覚があり
刺鍼後爽快感がある
と言われました。
刺す鍼灸師は手の感覚としては「ザクザク」は気持ちが悪いです。
中国では小鍼刀は繊維を切る鍼として使われています。
手術を行った後癒着をする
と言われますが
身体の悪い部分も癒着をし血流が悪くなります。
癒着した部分に小鍼刀を刺すことで
血流改善が促されます。
毫鍼ではなかなか効きづらい慢性的な症状にはおススメできる
小鍼刀になります。
しかし、良い部分だけではなく
悪い部分もあります。
繊維が切れる
という事は”神経”も切れます。
細い神経などは傷つく可能性があるので
腕や足などは危険性が高いと考えています。
背中も横刺という刺し方なら比較的安全に刺鍼する事ができます。
どんな道具にもメリット・デメリットがありますが
メリットよりもデメリットが高すぎる場合は使用しない方が良いです。
小鍼刀は首肩、背中、腰までは使用していますが
腕や足などは使用しないようにしています。
他の選択肢で解決できるのであればそちらの方が刺激量も少なくても良いからです。
首肩はコリやすい所なので、慢性的に辛い方で刺激に強い方は
使用した方が良いと考えています。
強刺激が合わない方は毫鍼で施術を行う事をお勧めしています。
縁里庵かつもと鍼灸院では鍼は細い鍼から太い鍼
刺激量も弱い刺激から強い刺激を患者さんの身体に合わせて調整しています。
泉佐野市周辺で腰痛や肩こりなどでお困りならご相談ください。
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