【鍼灸院が教える】知っておきたい「鍼(はり)の種類」

ローラー鍼

おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は鍼灸院で使う鍼のご紹介です。
実際に鍼を受けた方でもどんな鍼を使っているのか?
知らない方も多いと思います。
注射針と同じような太さのイメージがありますが
今日は意外と細い鍼をご紹介します。

目次

鍼の種類

鍼灸施術を受けたことのある方は「先生、どんな太さの鍼を使うんですか?」と聞かれたことはありませんか?
実は鍼灸で使う鍼にはたくさんの種類があり、症状や部位、目的によって使い分けています。
今回は、縁里庵かつもと鍼灸院で主に使用している鍼の種類をわかりやすくご紹介します!

鍼

1. 毫鍼(ごうしん): 一番よく使うオーソドックスな鍼
直径:0.10〜0.30mm程度(髪の毛くらいの細さ)
日本人の髪の毛の平均は約0.07〜0.08mmですが、一般的に0.06mm以上を「太い」、0.04mm未満を「細い」
鍼の長さ:15〜90mmくらいまでいろいろ
特徴:日本で最も一般的な鍼。
単刺(軽く刺してすぐ抜く)から置鍼(刺したまま15〜20分置く)まで幅広く使える
使いどころ:肩こり腰痛膝痛頭痛不妊症自律神経失調症など、ほぼ全ての症状に対応

※当院では主に0.16〜0.20mmのセイリン、ユニコ、いっしん、ファロスなどを症状ごとで使い分けています。

ディスポーザブル鍼:現在の日本で主流の使い捨て鍼
プラスチックの管(パイプ)の中に入っていて、軽くトントン叩くだけでスムーズに刺入できる
使い捨てなので、衛生的にも安心できます。
歯科医の先生も来院していただけますが、一番聞かれるのは鍼は使い捨てですか?
との質問です。
ほとんどの鍼灸院はディスポーザブルの鍼を使っています。

円皮鍼

2. 皮内針(ひないしん)/円皮鍼(えんぴしん)直径:0.2mm前後
長さ:0.3〜1.7mm(短い!)
特徴:皮膚に少しだけ刺してテープで固定。数日間貼りっぱなしにできる
使いどころ:トリガーポイント、耳ツボ、慢性的なコリなど
代表的な商品:パイオネックス(セイリン)など
最近ではNHKで話題になった戦場鍼も円皮鍼を使うこともあります。
戦場鍼は専用の鍼なので、刺激量では円皮鍼の方がマイルドになります。

ローラー鍼

3. 小児鍼(しょうにしん)完全に刺さない鍼(非侵襲性)
種類:集毛はり、振子はり、いちょうはり、ローラー鍼など
特徴:皮膚をこすったり軽く叩いたりするだけ。子供が怖がらない
使いどころ:夜泣き、カンムシ、おねしょ、チックなど小児疾患全般
小児だと身体が過敏な子が多いのでローラー鍼だとくすぐったがる子が多いです。

長鍼

4. 長鍼(ちょうしん)長さ:90〜200mm以上の長い鍼
特徴:お尻や太ももの深いところにあるトリガーポイントに届かせる時に使用
写真の長鍼は肩甲骨から腰まで刺す鍼
使いどころ:坐骨神経痛、梨状筋症候群、深い殿部・下肢の痛み
縁里庵かつもと鍼灸院では長鍼は使いまわしになってしまうので、使っていません。

灸頭鍼

5. 灸頭鍼(きゅうとうしん)鍼の柄にもぐさを巻いて燃やす技法
鍼に温熱刺激をプラスできる
使いどころ:冷えが強い人、慢性腰痛、胃腸虚弱、リウマチ、不妊症など

刺絡/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院

6. 刺絡(しらく)三稜針(さんりょうしん)を使った手技
特徴:太くて先が鋭利。井穴(指先のツボ)などから少量出血させる
使いどころ:のぼせ、頭痛、高血圧、自律神経の興奮状態の調整
縁里庵かつもと鍼灸院では三稜鍼は滅菌し、吸い玉は使い捨てになっています。

金鍼

7. 特殊な鍼:銀鍼・金鍼(素材が銀や金)
現在はほとんど使われていないが、一部の伝統派の先生は使用
九鍼(中国古典にある9種類の鍼:鍉鍼・員鍼・鋒鍼など)
鍉鍼(ていしん)は刺さない鍼、縁里庵かつもと鍼灸院でも鍼が弱い方や小児鍼で使います。
中国の特殊では小鍼刀などもある。

当院での使い分け例
初めての方・痛みが怖い方 は細めの鍼を使う
頑固な肩こり→0.20mmの鍼、小鍼刀
慢性的なコリ→トリガーポイントに鍼刺激
ぎっくり腰→手に刺す鍼で
小学生以下のお子さん → 小児鍼や温灸
必ずこの通りではなく患者さんの状態で使い方を変えています。

まとめ

「鍼=痛い・怖い」と思っている方がとても多いですが、実は髪の毛ほどの細さで、ほとんど痛みを感じない方が多いです。
しかも、使う鍼の種類を使い分けることで、より効果的で安全な施術が可能になります。
特に初めての方は怖いと思いますので、縁里庵かつもと鍼灸院までご相談ください。

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