おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は中極(ちゅうきょく)というツボをご紹介します。
中極は不妊症や高齢者の尿失禁に効果があると言われているツボです。
せんねん灸のような短い時間のお灸よりも箱灸という長時間温めるお灸が合う
ツボになります。
それでは中極の場所と効能、セルフケアまでご紹介しますね。
中極
場所:神闕穴(おへそ)の下側に指をあてて、まっすぐ下に指幅4本分
(人差し指から小指までを合わせた幅)下がった箇所にあります。
中極はきわどい場所になり、縁里庵かつもと鍼灸院では女性には使っていません。
しかし、不妊症に効果があるツボになるので、ご家庭であずきのチカラを使って温めてもらっています。
高齢者の尿失禁は中国で症例があります。
「箱灸を高齢者の尿失禁37例に用いて
症状が消失1年後も再発なし26例
症状は消失したが腹圧が強くなった時にたまに漏れる8例
施術中断3例」
この報告によるとモグサは漢方薬を含んだ棒灸を使用
ツボは関元、中極を主で使い、腎腧などを使用し2日に1回行い
全員20回以上施術を受けており施術回数が多いほど効果も高くなったと報告されています。
中極の効能
4冊の鍼灸書籍から中極の効能をご紹介していきます。
中極は組み合わせがやりやすく
様々な効能を期待できるツボの1つになります。
しかし、時代とともに使いづらいツボにもなっています。
今回は昭和時代の書籍を中心にご紹介していきますね。
泌尿・生殖器系(尿失禁、尿貯留、ED、性液漏)
婦人科系(生理不順、生理痛、閉経、不妊症)
その他(坐骨神経痛)
二冊目の中極の効能
参考書籍は「鍼灸治療基礎学」です。
膀胱及び生殖器の疾患を主る
膀胱炎
膀胱結核
膀胱麻痺
尿道炎
淋疾
前立腺肥大
遺精
陰萎
子宮内膜炎
附属器炎
帯下
月経不調
不妊症
月経閉止のものには催経の効あり。
月経痛を止め
下腹冷感
緊張感
子宮筋腫(手掌大のものは手術した方が良い)
腎臓炎の場合は灸して利尿作用がある
坐骨神経痛
下肢のリウマチ
頭重
腹膜炎
小児の夜尿症に灸
その他応用無限の重要なツボ
3冊目の中極の効能です。
参考書籍は上池先生実践鍼灸学「経穴の使い方鍼の刺し方」です。
不妊症に効く。灸2~3か月毎日
足の裏、むくみに灸
尿が出ないとき灸を10~15回
不感症。関元を併用
尿漏れに中極の灸。膀胱の筋肉を緩める
10歩歩いて休む人は腎虚。中極に灸10~20回。次髎、大杼、百会を併用
4冊目の中極の効能です。
参考書籍は「鍼灸経穴辞典」
遺精
遺尿
不正子宮出血
月経不順
帯下
子宮脱
下垂
不妊症
産後の悪露不止
陰部の掻痒感
こう見ると不妊症の患者さんにはおススメできるツボだと再確認できます。
他にも膀胱関係や頭重などにも効果が期待できることが分かります。
基本的にツボは1つだけ使う
よりも何個も組み合わせて使う事が多いです。
選択を間違えるとツボとツボの効果を減らす事もありますが
中極は使いやすいツボの1つなのかもしれませんね。
中極のセルフケア
中極はへその下にあるため
男性鍼灸師の縁里庵かつもと鍼灸院では使いづらいツボになります。
なので女性の患者さんで不妊症の方には家庭で行えるセルフケアを推奨しています。
へその下を下がっていき骨の当たる部分まで持っていき
あずきのチカラを置いてあげます。
就寝前に行う事が良いです。
不妊症の患者さんは出来れば毎日行ってください。
お腹には脂肪や内臓がありますが、熱を深部に与えたいので
せんねん灸や台座灸は長時間当てる事が出来ないのでお勧めできません。
最低でも15分は温かい方が良いと思います。
ちなみに縁里庵かつもと鍼灸院では中極は使いませんが
不妊症の患者さまには気海というツボに棒灸する事は多いです。
へそのすぐ下のツボになります。
セルフケアと鍼灸院の施術を併用すると効果は高まります。
どちらだけ受けるのではなく
両方受ける事が大切です。
不妊症などでお困りの方は
泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院までご相談ください。
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