モクサスとモクサスライト

2024年8月22日2024年8月27日

おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日はお灸専門の温度計測機モクサスのご紹介です。
モクサスの使い方、モクサスとモクサスライトの違いを調べてみました。
記事中にお灸の温度も計測していますが
室温24.3℃湿度55％で計測しています。

モクサスとは

MOXATHもぐさ燃焼解析システム。

お灸を科学したい、しかし適切な計測器がない。お灸は最高温度だけではない。私たちは知っている。ゆっくりもぐさを燃やすと熱くない。皮膚が効率よく熱を吸収する。発赤や水泡を作らず、もぐさ灸を行うには？。皮膚は何ジュールまで吸収できるか？。

MOXATH(モクサス)は、単なるもぐさ温度計ではありません

■吸熱量を計算し、表示するMOXATH

もぐさ灸や電子灸など熱エネルギーを使う理学療法機器は、人体に熱エネルギーを与えて治療を行うものです。つまり、人体が吸収した熱エネルギーの大きさが最も大事です。MOXATHは、人体の吸熱量をシミュレーションして、一目で分かるように表示します。

■人の体は暖かい。MOXATHのもぐさ台（もぐさを置いて火を付けるところ）は、プリヒート付き。

もぐさ台の温度を30～40℃の範囲で希望する温度に設定できます。また、予測機能を使って計測中も血流のある人体と同様に体温相当をシミュレーションします
引用元:チュウオー

お灸の温度計測を始めたころは熱電対という道具を使っていました。
モクサスより熱電対は全体的に温度は高めに表示されていました。
熱電対でもメーカー毎に温度が違ったりするそうです。
チュウオーの社長の話では、皮膚には水分や温度などがあり、熱電対では熱をそのまま計測し
モクサスでは乾燥した肌、潤いがある肌など
設定で変更でき人間の肌が実際に何度に感じているのか？
を調べることができるそうです。
今回の記事ではモクサスとモクサスライトの違いや
温度の違いがあるのか？
を調べてみました。

モクサス

メーカー希望販売価格418,000円（税抜き）
短期レンタル月2万円

特徴としては5チャンネル温度計があるので
5個一気に計測できる点です。
パソコンは必須で、パソコンのソフトと一緒に使います。
黄色いボタンを押し、赤く点滅し、もう一度押すと計測することができます。
計測時間も調整でき
点灸や台座灸など燃える時間の違いや男性、女性で皮膚の潤いの違いなど
細かな設定ができます。
ライトにはない機能ですが
モグサをおく台は30℃から40℃と細かに設定することができます。
たぶん人体の温度を計算して作っているのではないかと推察はしていますが
また聞いておきます。
今回はスイッチを入れてすぐに計測をしてみました。

モクサスライト

メーカー希望販売価格74,800円（税込み）
短期レンタル月5500円

モクサスはパソコン必須になりますが
ライトは単体でも使用できます。
パソコンがあった方が便利ではありますが。
SDカードに計測したデータは保存されています。
パソコンのアプリでは性能差はありませんが
ライトの方が温度センサーは良いという話も聞きます。
個人の鍼灸院ならライトで十分だと思います。

モクサスとモクサスライトの違い

モクサス	モクサスライト
418,000万円（税込み）	74,800円（税込み）
5チャンネル	1チャンネル
パソコン必須	パソコンなしでも可
マイクロUSB	USB-C

後から販売されたモクサスライトはUSB₋Cタイプになって使いやすくなっています。

モクサスとモクサスライト温度計測

モクサスとモクサスライトで温度の違いがあるのか？
調べてみました。

モクサス

モクサスで温度測定をすると35℃以下になりました。
以前ライトで計測した時はもう少し温度が高かったような？
湿度や室温で温度が変わるので、以前計測した時は冬場だからかな？
と思いながら再度モクサスで計測しました。

2度目の計測でも35℃以下になりました。
モクサスライトで計測するとどうなるのか？
実験しました。

モクサスライト

モクサスライトでは1回しか計測していませんが
40℃近くまで温度が出ました。
今回計測した台座灸はせんねん灸のアロマ灸ですが
以前計測（冬場）したデータはこちらです。

40℃を超えたり、超えなかったりですが
35℃は全て超えています。
アロマ灸も誤差はありますが
モクサスとモクサスライトでも誤差はあるのか？
チュウオーの会社に確認しています。
まとめにてご紹介させていただいています。

※2024年8月26日追試

他のメーカーの台座灸でも温度があるのか？
とご質問を頂いたので、追試してみました。
室温26.1℃湿度59％

トワテックで販売しているAKANEのレギュラーを使いました。
モクサス5最高温度44.2℃最低温度40.4℃

モクサスライト最高温度46.7℃最低温度45.8℃

アロマ灸では5℃近くの温度差が出ましたが
AKANEではモクサスライトの方が熱くなりました。
何故なのか？
考えてみるとお灸を置く台の温度差が原因と考えました。
アロマ灸の場合は設定温度まで上がりきる前に計測したため25℃スタート

今回はモクサス5は30℃スタート
モクサスライトは29℃スタート

この温度の違いではないかと考えます。

お灸を置く台の温度設定を40℃で計測してみました。
40℃でスイッチを入れると一気に温度が下がることが分かります。
モクサス5は温度計測しようとすると温度設定が切れるような感じでしょうか。
最高温度46.3℃最低温度42.4℃

30℃よりは少し高めになっていますが
温度が下がってから上がっているので、そこまで差はないのか？
台の温度が高いから台座灸が高くなるのか？
は分かりづらいかもしれません。
体感的にはモクサスライトは連続で使用していると
台が熱くなるので、台座灸の温度温度が高くなる傾向が見れました。
お灸をした後は綿花などで濡らし温度を調整していましたが
2、3℃高くなることが多く最初の温度に戻ることは少なかったです。
なので、モクサスライトで一度目に計測すると温度が低くなりやすいです。
モクサス5では自動で台の温度が調整されるので、その心配は少ないのかな？
と感じています。

※8月27日追試

セイリン社のセラミック温灸器を使いモクサスライトとモクサス5の計測をしてみました。
温度差のある台座灸より、セラミック温灸器方が熱さの差が少ないからです。

モクサスライトとセラミック温灸器

セラミック温灸器は先端の部分を計測しました。
側面の方が熱さはありますが
今回の実験では先端部分のみです。

設定温度	計測最高温度
43℃	36℃
46℃	37.3℃
49℃	39.1℃
52℃	40.1℃
55℃	41.4℃

モクサス5とセラミック温灸器

設定温度	計測最高温度
43℃	35.6℃
46℃	36.6℃
49℃	37.8℃
52℃	38.7℃
55℃	41.5℃

こう見るとそこまで誤差はないのかな？
と思います。
セラミック温灸器が一定の温度を保てているのなら
という条件が付きますが。
今回は部屋の温度をモクサスライトと合わせ
そこまで差がないように気を付けて計測をしました。
もぐさを置く台に差がないとそこまで差がないかもしれませんね。

まとめ

鍼灸学校ではモクサスがお勧め
個人の鍼灸院ならライトがお勧め
個人的には定期的に調べたりすることがなければレンタルでも良いと思います。
モクサスとライトでも温度差がある可能性がある（台の温度の違い？）

縁里庵かつもと鍼灸院では台座灸をすべて計測しようという計画を進めています。
ライトでは4回計測するのに30分はかかるために時間がかかりすぎて大変でした。
今回モクサス5チャンネルを購入したおかげで
台座灸の全ての種類を計測する近道が出来たのではないかと思っています。
そのためにライトとモクサスの温度差を調べる必要があると考えています。
個人的には違いがないと良いとは思っていますが
機械なので、誤差はどのあたりまであるのか？
チュウオーさんのご返信がありましたのでご紹介させていただきます。