おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は澱粉糊と紫雲膏
どちらがお灸に適しているのか?
お灸の温度を測定する機械を使い計測してみました。
澱粉糊と紫雲膏の成分
今回の記事を作成するきっかけは
紫雲膏に入っている豚脂や蜜蝋、ごま油で温度が熱くなるのではないか?
という疑問をいただき、脂のない澱粉糊の方が熱くなりすぎないので合っているのではないか?
コスパ的にもおススメ
という話を伺い実際に計測してみました。
澱粉糊の成分
市販のでんぷん糊は、コーンスターチ(トウモロコシでんぷん)やタピオカ(キャッサバの根茎)などを原料としたもの
紫雲膏の成分
紫根、当帰、蜜蝋、ごま油、豚脂(有りと無しがある)
紫雲膏に関しては以前まとめてますので、ご興味がある方はご覧ください。
今回の計測では豚脂有り無しでも計測しています。
紫雲膏(豚脂有り)

成分・分量
紫根3g
ごま油25g
蜜蝋8.75g
当帰2g
豚脂0.75g
最初に計測したのは紫雲膏(豚脂有り)です。
豚脂とごま油などが入っているので、1番熱くなりやすいのではないか?
と予想は出来ますが計測してみました。
お灸の回数は3回計測しています。

実際に計測してみると出来るだけお灸の大きさは揃えましたが
まったく同じには出来ない事と紫雲膏や澱粉糊の台の形は高さは合わせましたが不揃いなので
参考程度にはしてください。

3回計測し、最高温度は42.8℃でした。
紫雲膏灸(豚脂無し)

成分・分量
紫根10.2g
当帰5.1g
ごま油84.6g
蜜蝋33.8g

最高温度は41.8℃でした。
豚脂有り無しでは1℃の違いでしたが
誤差かもしれませんね。
澱粉糊

Amazonで購入した澱粉糊です。

紫雲膏と違い水溶性なので温度測定では下がりやすい結果になりました。

最高温度は40.6℃でした。
紫雲膏と違い温度が下がるのが早く温度がそこまで上がらないですね。
澱粉糊と紫雲膏の体感の違い
今度は澱粉糊と紫雲膏の体感の違いをご紹介します。
実際に試したのは私なので、参考程度にしてください。
右足に紫雲膏(豚脂有り)、左足に澱粉糊で同時に使用しました。
澱粉糊は1回目から刺さるような熱さが感じ、3回お灸が終える頃には熱めのジワーとした感覚が残りました。
機械で測るほど体感では温度は下がりにくい(体温があるから?)
熱は紫雲膏よりも通りやすい
紫雲膏灸のお灸のやり方だと少し刺激は強めになります。
紫雲膏は2度目から熱感が感じほのかな温かさがあり、3回目が終えるくらいにはジワーと心地の良い温かさがありました。
紫雲膏の膏薬の中で熱の温度が保つような感じです。
澱粉糊のお灸方法
澱粉糊のお灸を教えていただいた先生からお灸方法をご紹介いただいたので
実際に試してみました。
半米粒大のお灸を10壮行うという事でしたので、今回は15壮行い
温度の下がり具合も見てみました。
澱粉糊

澱粉糊は計測するとすぐに温度が下がる傾向があります。
少しずつ温度は上がっていますが、そこまで温度は上がりきらないという感じでした。
96秒辺りから下がっていますが、モグサの灰を取るために時間がかかったからです。
最高温度は41.7℃でした。
紫雲膏灸

紫雲膏は蜜蝋やごま油の影響か
熱が残る感じがあります。
実際に体験してみてもジワーっと熱感が残るような感じがします。
紫雲膏の場合は次の患者さんが来院されるので急いでいたため灰は取っていません。
今回は豚脂なしの紫雲膏で行いました。
最高温度は43.1℃でした。
まとめ
紫雲膏(豚脂有り) | 紫雲膏(豚脂無し) | 澱粉糊 | |
最高温度 | 42.8℃ | 41.8℃ | 40.6℃ |
最高温度(15回) | 43.1℃ | 41.7℃ |
澱粉糊を紫雲膏灸のやり方で行うと体感では少し熱く
お灸の計測器では豚脂有りが1番温度が高く
澱粉糊が1番温度が低く温度が下がりやすい結果になりました。
澱粉糊用にモグサの大きさを変えて使用すると心地の良い温度になると思います。
15回半米粒大でお灸をしてみると数値的には温度差がある
澱粉糊の方が効果がありそうな感じはしますが
実際に体験してみて、効果の違いを見てみるほうが良いですね。
次回はサーモグラフィーカメラを使って紫雲膏と澱粉糊の体温の変化の違いを見てみたいと思います。


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