おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日は大敦(だいとん)をご紹介します。
大敦は指先にあり、鍼をするには痛みが強い部分になりますが
鍼は鍼でも三稜鍼という鍼を使い少量血液を出す刺絡
という手技でも使われます。
今回は大敦の場所や効能、セルフケアなどご紹介しますね。
大敦
場所:足の親指の爪の根元の外側で爪の角から2ミリのところにあります。
赤丸が大敦です。
青丸が異説になります。
黄丸が私が中国に研修に行ったときに聞いた異説になります。
触り反応(痛みがある)所に刺激をする事が大切です。
ツボの場所は書物の翻訳で変わる事もあります。
2006年に日本・中国・韓国でツボの適正化が行われ
同じツボでも国により違う事があり、修正されたことがあります。
私が鍼灸学校で習ったツボの位置と今の学生さんが習うツボの位置は違う事があります。
大敦の効能
大敦の効能をご紹介していきます。
泌尿生殖系(膀胱炎、前立腺炎、睾丸炎、鼠経ヘルニア、精索神経痛)
婦人科系(機能性子宮出血、子宮脱、月経不順)
精神系(昏睡、脳血管障害、てんかん)
その他(糖尿病、便秘、下肢麻痺)
糖尿病など傷口が治りにくいなど鍼を刺せない場合は
指揉むことで血流が良くなることがあります。
実際に指揉みと刺絡と言う血液を少量出す手技でサーモグラフフィーカメラで撮影しました。
指揉みは32.3度→33度(0.7上昇)
刺絡は30.1度→32.2度(2.1上昇)
刺絡のカメラは爪に当たり、30.1度と温度は低いですが皮膚温上昇はしています。
指揉みは刺絡ほどの効果はないですが温度上昇がみられるので、血流改善したい人にはおススメです。
2冊目の大敦の効能のご紹介です。
上池先生の実践鍼灸学「経穴の使い方ツボの刺し方」
小腹の差し込むような、引き連れるような、疼くような激しい痛みに効く。痛みが止まるまで置き鍼
生理痛など婦人科の痛み、前立腺炎、睾丸炎などの男性の急性の痛みに効く
太谿と一緒に使うと効果が無くなる
肝臓そのものの病
鍼灸は慢性痛に効果的なイメージがありますが
急性の物にも効果があります。
3冊目の大敦の効能のご紹介です。
参考書籍は「鍼灸治療基礎学」です。
心痛
卒倒
てんかん
ショック
子供のひきつけ
痙攣性の疾患に救急療法として効く
昔は倒れて意識がなかった時用のツボもあるくらい
救急療法として使われていました。
今の日本で知らない倒れている人に鍼を使うと逮捕されるかもしれませんが^^;
中国では鍼灸は医療として医師が行っているので未だに行われています。
4冊目の大敦の効能のご紹介です。
参考書籍は「鍼灸経穴辞典」
ヘルニア
遺尿
陰部の腫脹
不正子宮出血
子宮下垂
子宮脱
配穴をご紹介します。
中国の書籍なので、日本では使わない状態もありますが
参考程度に見てください。
配穴
昏睡(水溝・百会・中衝・厲兌)
ヘルニア(関元・三陰交・照海)
不正子宮出血(隠白・帰来)
子宮下垂(気海・百会)
昏睡状態で鍼灸を行う事は日本ではありませんが
中国では行う事があります。
大敦のセルフケア方法
大敦へのセルフケア方法は家庭で行うのなら上記に書いた指揉みが1番手軽で行えます。
指先にせんねん灸や台座灸を行うのもおススメです。
場所が安定しにくいので、火傷のリスクがありますのでお気を付けください。
実際に手の指にアロマ灸を行い皮膚温の上昇をサーモグラフィーカメラで撮影しました。
26.1度から32.6度と皮膚温の上昇が分かりました。
せんねん灸は台座が大きく
指先など細い部分には不向きなのが欠点になりますが
温めるのなら良いかもしれませんね。
アロマ灸など弱めなら安心ですが、熱いせんねん灸だと火傷のリスクがあるので
糖尿病などある方はお気を付けください。
セルフケアで改善しないときは
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院までご相談ください。
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