お灸の質で使い方が違う?

お灸の種類

おはようございます。
大阪泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院です。
今日はお灸の質で使い方が違う?
と言う内容でご紹介します。
今日は少し専門的な話にはなりますが
一般の方にも分かりやすく説明をさせて頂きます。
お灸の原材料はモグサになります。
モグサはヨモギで作られていますが
良質なモグサと粗悪なモグサと昔は呼ばれていましたが
現在は高精製のモグサ(良質)、低精製のモグサ(粗悪)
に変わっています。
粗悪だから悪い
というわけではないので、今日はその辺りもご紹介しますね。
お灸の質で狙いが変わります。
台座灸紹介シリーズではお灸の質までご紹介しています。
セイリンのヨモニコや亀屋の広重アイクレイ小林老舗クローバー灸せんねん灸奇跡職人灸富士柔カマヤミニなどご紹介しています。

目次

モグサの違い

お灸の種類

まずは高精製と低精製の違いを見てもらいます。
黄色に近い方が高精製のモグサで
灰色に近い方が低精製のモグサになります。
高精製や低精製にも種類があり
高精製、低精製にもランクがあり
低精製の上位から下位まで様々な種類があります。
良質なモグサと呼ばれていた時代に
お灸教室など患者さんに説明していると
粗悪なモグサより、良質なモグサを使ってほしい
と言われる事も多いですが
良質(高精製)、粗悪(低精製)ともに良し悪しがあり
使い分ける必要があります。
使い方をご紹介しますね。

モグサの使い方

紫雲膏灸

高精製のモグサは米粒程度の大きさにし
直接皮膚を燃やす方法が主流です。
今は火傷を嫌がられる患者さんが多いため
紫雲膏灸というやり方で行ったり
点灸紙という紙を置き
火傷をしないようにお灸を行う事が多いです。
ヨモギの裏にある白い綿だけで作るので、数が作れず
7g500円など高価になります。
綿だけなので、空気をよく含んでいて早く燃えます。
低精製のモグサと違い米粒程度の大きさを作り使用するので
そこまで熱くはありません。
また、火をつけ途中で消す方法など
火傷にならない方法で、日本は発達しています。
中国では高精製のモグサを使う技術は発達せず
隔物灸(ショウガ灸ニンニク灸)という形で発達しました。

しょうが灸/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院
にんにく灸

細かな作業をする日本人が高精製のモグサにこだわり
中国人は比較的作りやすい隔物灸に発展していったとの違いかもしれませんね。

低精製は棒灸味噌灸、ニンニク灸、生姜灸など
隔物灸に使う事が多く
ヨモギの葉っぱや茎を混ぜて量を増しているのが低精製のモグサの特徴です。
ゆっくりと燃えますので
隔物灸の方が合っています。
親指より少し大きめに使う事が多いです。
200g2000円位で販売しています。

顕微鏡でモグサを見てみると?

高精製と低精製のモグサの違いをご紹介しましたが
次は顕微鏡でモグサを見てみました。

高精製のモグサ

こちらは高精製のモグサ7g500円を顕微鏡で見てみました。
不純物はそこまで見えません。

雅モグサ

こちらは雅というモグサで
100g10,000円の高級モグサです。
7g500円のモグサよりもさらに不純物が少ないのが分かると思います。

次は低精製のモグサをご紹介します。

低精製モグサ

こちらは低精製のもぐさでも1級という少しお値段が高めのモグサです。

低精製のモグサ

こちらは2級モグサです。

低精製モグサ

3級モグサです。

1級が高価、3級が安価になりますが
1級と2級はそこまで差がないかもしれませんが
3級は茎が多く
実際の臨床でも使っていません。
普段は1級モグサを使っています。

この辺りはお灸教室などで実際に触って頂いたりすると
分かりやすいと思います。

高精製のモグサの方が香りがよいので
家庭で使うせんねん灸のような台座灸でも香りの違いはあります。

低精製と高精製の効果の違い

高精製と低精製の違い

実際の臨床で効果の違いを出すのは難しいとはお思います。
高精製のモグサは米粒程度の大きさなので
硬さや大きさが少し違うだけで温度が変化します。
全く同じ大きさと硬さに統一することが難しいのです。
低精製のモグサは切りモグサなどでは統一出来ますが
切りモグサも以前実験しましたが温度差はあります。

私の考えでは

低精製のモグサは熱を浸透させることが得意
長時間10数分から数時間同じ場所に当てたりします。
逆に短い時間だと本来の力を発揮できない事もあります。

お灸/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院

お灸の効果の1つに温度変化があると思います。
機械ではなかなかマネできない効果の1つです。
同じ温度を長時間与えても身体は慣れますが
お灸の温度は変化します。
変化する事で、身体が対応できず熱が浸透する
と考えています。
上記の図はお灸を何度が行った温度変化ですが
変化がある事が分かると思います。

カイロ/泉佐野市の縁里庵かつもと鍼灸院

こちらはカイロの温度変化ですが
なだらかに温度が上がり45度辺りで維持しているのが分かります。
身体は温かいですが慣れていくので深部までは温もらない可能性があります。

高精製のモグサは皮膚表面に刺激を与えます。
ツボに刺激をすると内臓にも効果があると思います(胃が活発になったりします)
高精製のモグサを使い劇的に変化した例をご紹介しますね。

高精製も低精製も機械とは違う効果を出す事が出来ますが
ある程度臨床を積んだ鍼灸師ではないと
効果を出せない事が多いです。
お灸を勉強している鍼灸師の先生にぜひ施術を受けてください♪

高精製のモグサの臨床例

私が資格を取り数年の頃
1日50人来院する病院で勤務する前に働いていた病院の出来事です。
交通事故の患者さんで、身体がふらつき歩くことも苦労していた患者さんです。
当時から行っていた刺絡や火鍼など知っている技術を色々と行っても変化がなく
深谷灸を行いました。
深谷灸は火傷させる灸法で、竹筒をお灸に当てて熱さを緩和する方法です。
火傷をさせるお灸を学校以外ではしたことがなかったので、ビビりながらやっていました。
お灸をすると「熱い」と言う悲鳴があがり、次の患者さんが怯えていたこともあります。
しかし、ふらつきベッドに寝転んだ患者さんが
スタスタと歩いて帰る事にお灸の効果を初めて知った瞬間でもありました。
病院のスタッフさんが私が辞めてからその患者さんが来院し、あの鍼灸師の先生いないの?
と聞かれていたという話も聞いています。
熱いですが効果は高いお灸です。

鍼を刺すと刺された部位は傷になり、その傷が治るまで刺激は続きます。
火傷をする事で、その刺激は数日続きますので

急性病は鍼、慢性病は灸

と言われているのかもしれませんね。
今は火傷をするお灸はなかなか出来なくなりましたが
温灸でも皮膚が赤くなる(医学的には火傷の一種)ので
目には見えない火傷が数時間なり刺激を続けているのかもしれませんね。

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